1_プロット

文字数 1,305文字

「お別れの言い方」プロット
起)主人公の中学一年生の女の子のリウは、疎遠になってしまった男友だちトウカが、川に遊びに行ってから行方不明だと聞く。トウカはリウの小学生時代の親友で、リウは彼が「嘘」ばかり言うことを嫌い、疎遠になっていた。喪服姿のトウカの母親と空の棺を見たリウは、トウカを探しに川に赴いた。リウは水面を覗き込む。「トウカは嘘っこばっかのままだったのかな」リウは足元の空き缶に気がつかない。「嘘じゃないし危ない!」警告は間に合わず、リウは足を滑らせて、川に落ちた。

承)リウが目を覚ますと、トウカが覗き込んでいた。「トウカ、やっぱり生きてた。早く帰りなよ」「そんなことより、リウは状況わかってる?」トウカの首には蛇のような大きさの白竜が巻きついて、白い珊瑚の土に森が広がり、遠くに白銀の塔や街が見える、奇妙な状況だった。白竜はトウカの言う「嘘」で言う守護霊にそっくりだった。トウカは帰る方法がわかる人のもとに案内すると言う。リウはトウカの嘘「守護霊がいて、異世界が見える」ことが本当だったと知った。「今から言うものを集めて、墓所で別れを告げよ」案内された先で、リウは告げられる。自身の守護霊として、幽霊電車と無口な男の子の車掌リュウを呼び出したリウは帰るのに必要な物を集めるため、わがままな姫の願いを叶えたり、食べ物を得るために自称神のもとで働く。

転)トウカは電車で寝てばかりで、リュウは運転以外できない。奮闘する彼女を心配するトウカと口論するリウ。彼女は頭を冷やすため飛び出した先の街で、リウはもう、物を集めなくとも帰れるはずだ、と噂する人々の話を盗み聞きした。本当のことを話してもらうため、リウは自分の本当の気持ちを話す。「トウカが死んだと思ってもう話せないことを後悔した。この世界を見て、トウカの言ったことが本当だと知ってもっと後悔した。今までごめん。トウカの言葉を信じなくて後悔したくない。嘘でも本当でも良いから話して。信じるから」リウの気持ちを聞いて、彼女が必死にがんばる理由を知ったトウカは、この世界で自分は本当のことを隠していたと謝る。「帰る」は「還る」と書き、還るために物が必要なのはトウカだった。リウは手助けに呼ばれた介助人で、彼女一人ならば現実世界に帰るのは容易だった。「俺はもう、還るしかないし還りたい」トウカは川で溺れて、リウと帰ることはできなくなっていた。

結)葛藤の末、リウはトウカを還すために、物を持って墓所に向かう。探し当てた道をたどると、異世界ではなく現実世界のトウカの墓の前につながっていた。躊躇うリウを促して、トウカは集めた宝物を供える。悲しさのあまり、トウカと一緒に行きたいと泣くリウを、彼女の守護霊リュウが止める。リウは守護霊に、兄が生まれることができてたら名乗るはずだった名前をつけていた。妹をずっと見ていたと、最後に口を開くリュウ。彼は妹の「トウカを寂しくさせたくない」という願い通り、トウカを連れて電車を出発させる。同時に、リウの首に白竜が巻きついて消えた。「縁があれば、いつかまた会えるから」「うん、またいつか、さようなら、トウカ、リュウ、みんな、みんな」
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