詩小説『恥ずかしい恋をしよう』全ての女子へ。

エピソード文字数 610文字

恥ずかしい恋をしよう

辿り着いたホテルに身体が火照る。ここからもいちど育てなおすように。

ちょっと酔っちゃったな、なんて。そんな理由で距離を詰めるあなたに。

顔赤いよ、なんて。繰り返したお決まりの台詞をまた重ねる私。

ただ、途切れるのが怖いだけ。冷めてしまえばもう二度と温まらない気がして。

差し出されたあなたの手をつねってみたり、つついてみたりしてる。

今はまだ、このくらいがいい。触れ合うのならこのくらいのからがいい。

キスしていい? 回り込んで私を見つめるあなた。思わずうつむき、唇舐める私。

なにもしないって言ったじゃん。寝るだけなんでしょ? なんて拒む私。

その気がないのにホテルなんて来ない。軽い女だと思われたくない私。

もっと必死に攻略してみせて。ちょっとなにしてんの? 変なとこ触ってるじゃんなんて。

私は舞い上がる。あなたは真面目な顔して私を見つめる。

「キスしていい?」

「私のこと好きなの?」

「うん」

「したいだけじゃなくて?」

「うん」

「ずっと好きなの?」

「うん」

「ほんとに?」

「キスしていい?」

「ふぅん」

恥ずかしい恋をしよう。
臭い台詞も受け入れて。

恥ずかしい恋をしよう。
汚れも知らないふりをして。

恥ずかしい恋をしよう。
中学二年生のように。

恥ずかしい恋をしよう。
すいもあまいも知り尽くした大人のように。

そんな夜だ。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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