叔父の紹介でリゾートホテルへバイトに来たけど私の知らない場所で陰謀が渦巻いてる

[恋愛・ラブコメ]

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『陰謀渦巻くリゾートホテルで、彼女だけが何も知らない。』

夏休み、リゾート地のプールサイドでバイトする私。
おっちょこちょいの私はいつも同僚の山下君に迷惑ばかりかけて――。

登場人物紹介をお読みの上で本文をどうぞ。

目次

完結 全2話

2019年12月04日 17:28 更新

登場人物

ナツキ(大学一年生)


首都圏のとある県に住む女子大生。

逃げ癖がある反面、欲望には忠実でそのためには努力を惜しまない。

人に言われるとやりたくなくなるタイプ。ブラはBカップ。靴のサイズは23.5。スカートよりキュロットの方が好きで、冬場はほとんどパンツスタイルで過ごしている。しかし寝る時にはパジャマでなく、締め付けがないネグリジェを愛用。さらに夏場はほぼ全裸である。


通学で苦労したくないので、大学は実家から一番近いところをチョイス。高校の偏差値から結構上だったが何とか合格。しかしその反動で三ヶ月は脳味噌がゆるゆるで勉強にならなかった。

夏休みのバイトを親戚に紹介してもらったものの、授業についていけず留年しそうなので、このままバイト先に就職してしまおうか~、とか、就活で廃人になった先輩たちのようになりたくないので、バイト先にいい男性がいたらお嫁さんになってしまおうか~、……なんて、とにかく大学に戻らなくてもいい方法を考えている。


バイトを斡旋してくれた親戚の叔父は、親類の中でも特に子供の頃から自分を可愛がってくれてきた、大好きなおじさんポジション。

知的でダンディで、どんな仕事をしているか誰も知らないミステリアスなところがカッコイイと思っている。

以前叔父が海外土産と称して送って寄越した、子供用舞踏会ドレスが宝物で、着られなくなった今でも大切に保管している。もらった当時は、こんなステキなドレスが作れるように洋裁を覚えたい、と思ったものの、身近で教えられる人もなく、独学するにはあまりに幼かったため、いつしかその希望も忘れてしまった。

心のどこかで、お姫様のようなドレスを纏った自分を、ダンディなおじさんが馬車で迎えにきてくれたらいいなと思っているが、さすがに年齢差がキビシイかな? と現実を見ることも忘れない。


好きな食べ物はドネルケバブと抹茶アイス。嫌いな食べ物はとくになし。

山代君(大学生)


ナツキの同僚。同じ部署でバイトをしている。

大学生というのはウソで、実は、とある探偵事務所の所員。無難な外見とはうらはらに、体術や追跡術、暗殺術などを習得している。国籍を偽っている日系米国人。このリゾートホテルには内偵のために潜入していたのだ。

彼が追っている人物とは、このリゾート地の不正買収に絡む不動産会社と官僚で、彼等は家族サービスを装い、ホテルの一室で天下りの相談をする、という情報が探偵事務所に入った。彼はその現場の撮影と音声の録音という高難度の使命を受けて、日々プールサイドで目を光らせている。

基本的に仕事に私情は持ち込まず、手段を選ばない男ではあるが、おっちょこちょいのナツキとのふれあいで、つかのまの心のやすらぎを感じてしまい、気が緩んでいるせいだと自分を戒めている。


山代君のポリシーは、「プロは合理的であれ」。

ナツキの親戚(叔父)


ナツキにバイトを斡旋した張本人。年齢4~50代。

彼の仕事は、他の親類もよく分かっていない。何かの会社を経営している、とだけ把握されている。ときどき外国にいることもあれば、数ヶ月間消息不明になることもある。


彼に家族はなく、たまに恋人と思しき人物を連れているのを、他の親類が見かけることもあるが、どうも相手は決まっておらず、見る度に違う女性あるいは男性を連れてイチャイチャしているようだ。

親類の子供連中の中でもナツキを一番気に入っており、幼少の頃から、海外土産や小遣いを与えたり、ナツキの両親が旅行中に預かったりもしている。


彼は、山代君が内偵中の不動産会社を買収しようとしている投資会社と関わりがあり、山代君の出方次第では、共闘か抹殺かを選ぶ立場にある。

調査中、不動産会社と繋がりのある官僚の息子が母親から虐待されている情報を得て、現在密かに監視しているが、場合によっては官僚の息子を保護し、しかるべき機関に通報する事も考えている。


ナツキの叔父のポリシーは、「救える子供は極力救う」。

子供A(不動産会社社長の息子)


山代君の追っている、不動産会社社長の息子。過去数回、営利誘拐の被害に遭っているが、なぜか他人に危機感を覚えないのんびり屋。

学校の成績は中の上。逆上がりは出来るのに、大縄飛びが出来ずコンプレックスを抱いている。父親の趣味が書道で、彼もそこそこの腕前。県の書道コンクールで銀賞をもらったことがあるのに、鉛筆で文字を書くとなぜか汚い。

好きな食べ物はカレーパンとすあま。嫌いな食べ物は、誘拐犯に無理やり食べさせられたカンパンと、食中毒になったことのある牡蠣。

いまハマっているのはスマホゲーム。母親に課金を止められているが、息子に甘い父親がついついウェブマネーを買い与えてしまい、仲間内では一番の重課金者である。

いまだバレていないいたずらは、父親の隠し持っている春画のページをメチャクチャに差し替えたこと。大人になったら、外に女を作っている父親から母親を略奪するのが野望。

不動産会社社長の妻


下請け会社社長の娘だったが、親の会社の存続のため、人身御供に差し出された美人だが哀れな女。政略結婚後、想い人がいなかったのがせめてもの救いと自分を慰め、一人息子が出来れば子を生きがいに、日々を過ごしている。

夫は彼女の容姿が気に入って嫁にしたものの、結婚を無理強いしたせいでほぼセックスレスが続き、現在では家庭内別居に近い状態になっている。そのため夫は愛人を作って性欲を満たしている。

そんな夫でも息子は可愛いらしく、自分以上に甘やかしているのが気に入らないが、息子がいつも「僕はママの味方だから」という言葉を心の糧に、この子だけはまともな大人に育てなければ、と日々心を砕いて世話をしている。

今回の旅行は、息子が両親と一緒に行きたい、と強く希望したため、仕方なく同行しているが、親類の子供たちや知り合いの家族と一緒なせいか、忙しいが思いのほかリラックスした旅行になり、ほっとしている。


ホテル前の海に出て、夫を溺死させる機会をうかがっている。

不動産会社社長


祖父の代から営業している、不動産会社の三代目。不動産会社といっても初代の頃とは異なり、現在は建設会社を兼ねていて、自社で建てた物件を売買したり賃貸したりしている、自給自足タイプの会社である。

親族に政治家や大手ゼネコン役員、病院経営者など社会的地位の高めな人物が多く、一般市民、特に貧乏人を見下す品性の低い男。

不動産業にはあまり興味がなく、建設の仕事を心底愛しており、大きな建物を作ることは男の浪漫である、と常々周囲に語っており、昨今ではなかなか現場に出られないことを残念に思っている。また、自分の手がけた建物は全て写真に撮ってアルバムに収め、時折酒の肴にしている。

経営手腕は中の下で、親類や縁故関係からもらう仕事で社員を養っているが、その事について特に気にする様子はない。

リゾート開発地の不正な売買には親類が絡んでおり、その手引きをした国交省官僚の天下り先について、当人と話し合うために、ナツキのバイトするリゾートホテルにやってきた。自身は買収後の建築案件の斡旋を受けたのみで、汚職に直接関与はしていない。

なお、この件について息子や妻は何も知らず、ただの旅行だと聞かされている。


政略結婚とはいえ、その容姿に一目惚れして迎えた妻に全く懐いてもらえず、人知れず傷ついている。そのため妻によく似た息子を溺愛している。現在囲っている愛人も、どこか妻に似ている女で、妻の所持している服とよく似たものを買い与え、空しいと分かりつつも、愛人を妻の身代わりにしてデートや旅行を楽しんだりしている。

今回の旅行は、天下りの打ち合わせのみならず、自分がこのリゾート地に建てたホテルや商業施設を妻や息子に自慢したいという思惑もある。しかし、なるべく妻と気まずい状況を作りたくないので、親類の子供たちも一緒に連れてきた。


今回の会合に、面識のない親類の会社の人間が、後から到着すると聞かされているが、なにやら胸騒ぎがしている。

子供B(官僚の息子)


山代君の追っている、汚職官僚の息子。都内の国立小学校に通学する秀才。父は毎日遅くまで仕事で家におらず、夫の前では猫をかぶる教育熱心な母親には日々虐待を受けており、「いつかこのクソ女を殺してやる」と心に決めている。リゾートホテルに来てからは、どこか母親を合法的に殺害出来る場所はないか、と周囲を調べている。

父親は、息子が虐待を受けていることを薄々感づいており、息子との時間を取り、妻から彼を守るため、不動産会社との黒い取引に応じ、天下り先を斡旋してもらおうとしているが、息子はそんな父の腹づもりなど知る由もなく、母親同様に自分を苦しめた共犯者だと憎んでいる。

放課後は学校のパソコン室で、毒物や死体処理の方法を検索して日々研究しているが、ついついキノコや魚の調理方法を調べてしまい、日が暮れることも多い。

趣味は料理と電柱の写真を撮ること。このリゾート地にはあまり電柱がなく、少々つまらない思いをしていたが、父親の仕事上の知人一家と共に行動することになり、暗殺計画は実行しにくくなったものの、母親に不愉快な思いをさせられることが無さそうで、正直ほっとしている。

官僚の妻


世間体と社会的ステータスをとても気にする女。

今の夫と出会ったのは、父の知人の誕生日パーティだった。当時女子大生だった彼女と夫とを引き合わせたのは父の知人で、官僚になったばかりだった彼に家庭を持たせようという配慮からだった。その後見合いをし、彼女は深く考えることなく彼の肩書きや収入だけで結婚を決めた。

結婚してからの夫はよき伴侶として努力していたが、彼女はあまり馬が合わず、仲の良いふりをし続けていた。

結婚後三年目で子供を授かるが、夫は多忙を理由に、妊娠で苦しむ妻を放置、彼女は出産もひとりきりで済ませた。夫が病院に顔を出したのは、それから五日後のことだった。

この件以来彼女は表面だけは取り繕いながらも夫に心を閉ざし、十数年間セックスレスとなるが、官僚の妻というポジションを失いたくないため離婚する気はない。


彼女の一人息子も官僚にすべく、幼少期から教育を施すが、しつけの厳しさからか母親に全く懐くことはなかった。彼女が息子への情を失うのに時間はかからず、家庭内ストレスのはけ口として暴力を振るうようになる。

息子への虐待を夫に悟られれば離婚されてしまう、そう思った彼女は、極力彼の前ではよき母親を演じ、かつ夫と子供を二人きりにしないよう監視し、外から見える場所に傷を作らないよう細心の注意を払ってきた。

昨今では息子も体が大きくなり、手を上げても抵抗されることが多くなってきたため、暴力は精神的な嫌がらせにシフトしている。


今回の旅行は、高級リゾート地だから参加した。有名かつ高グレードなホテルに宿泊することで彼女のプライドも満たされている。

官僚


幼少期から親に言われるまま勉強し、言われるまま遊ばず孤独に過ごし、言われるまま国立小→国立中高→東大へと進学した。同年代の学生は全て敵と教えられ、心を許せる友人はいない。当然ながら女性との付き合いも大学卒業まで一切なかった。

大学卒業後親に言われるままに国家公務員となり幾つかの省庁を経て現在は国交省に勤める。職場にも親しく会話する知人はいない。そんな彼の数少ない知り合いの一人が、過去の同僚で別の省に移動した後、個人的理由で退官した男A。Aはあるリゾート開発会社と繋がりがあり、土地買収の手助けをして欲しい、と知人の官僚に持ちかける。官僚はせっかく自分を頼ってくれたのだから、と悪事と知りながら荷担。買収は成功し、Aは開発会社の口利きで天下りして霞ヶ関から去って行った。

その後、自分の家庭内が荒れていることに気付き、家族のために天下りすることを決断。Aを介して今後のことを相談するために、このリゾートホテルにやってきた。


彼は妻を得ても実感することの出来なかった、自分という人間を、己の子を得たことによって初めて実感することが出来たと思っている。その子を産んでくれたことを妻に感謝してはいるが、それと虐待とは話が別である。もっと家族と過ごす時間が増えれば、きっと妻も変わってくれると信じているが、ダメな時は離婚も視野に入れ始めている。

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小説情報

叔父の紹介でリゾートホテルへバイトに来たけど私の知らない場所で陰謀が渦巻いてる

東雲いづる  izuru_s

執筆状況
完結
エピソード
2話
種類
チャットノベル
ジャンル
恋愛・ラブコメ
タグ
夏休み, バカンス, リゾート, 短編, ロマンス, プール, バイト, 陰謀, きゃらふと大賞2
総文字数
1,004文字
公開日
2017年11月03日 01:58
最終更新日
2019年12月04日 17:28
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