地獄の釜のふたが開いたら
お盆になると閻魔大王も罪人を責める鬼たちも休むことで地獄の釜のふたが開き罪人たちも迎え火に導かれて「この世」に戻ってきます。
生前に大学生だった刈谷次郎も数十年ぶりにお呼びがかかり「この世」に戻ることになりますが、両親ともにすでに亡くなっており誰が自分を迎えているのかが分かりません。
故郷の墓前に行くと浴衣を着た女子高生が迎え火を灯しています。自分の孫ほどの年齢の女の子がなぜ次郎を呼びよせたのでしょうか? 次郎は女子高生とトラブルを起こして…(興味のある方は登場人物の設定もご覧ください)
本作品はフィクションです。実在の人物・団体その他一切のものとは関係がありません。
目次
完結 全1話
2022年08月31日 23:51 更新
登場人物
刈谷 次郎(かりや じろう)
地方都市の教員家族の次男だった。まだ高校卒業者の大学進学人口が1~2割程度の時代に東京の大学に親に迷惑をかけながら進学。進学先の本大の大学側の運営姿勢に不審と不満を持ち、仲間たちと集まり、大学らしさやまともな研究・教育の場を求めた。最初は温厚だったが大学側とのやり取りのうちに表情は険しく言葉づかいは荒くなった。学生運動の嵐に巻き込まれ地獄に行くことに…
小松 優(こまつ ゆう)
刈谷の故郷の緑里高校に通う2年生。明るく真面目で、話し方や考え方は農家育ちの祖母の厳しい躾でとても丁寧で素直。生来の天然体質でみんなから好かれている。祖母に昔の思い人のお盆でのお迎えの灯し火を頼まれ一時的に衝撃を受けるも、これで浴衣も着れるとポジティブに受け止める。お年寄りとの野球の試合を幼なじみの颯太に誘われたが、ルールも知らないことを笑われていた。
地獄の鬼(じごくのおに)
地獄で刈谷に責め苦を加えているが、真面目に罪に向き合い反省する刈谷のことを気に入っている。お盆に地獄を出た罪びとは地獄の釜のふたが閉じるまでに戻らないと極刑になることから、刈谷に注意を喚起するために現世までわざわざ教えにやってきた。優の疑問(刈谷が地獄に行った理由)にも答えてくれる優しい鬼。
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