沼のほとりの物語 序 一郎太、祓い屋を語る。
とある都市近郊の市街地。その中心から少し外れた住宅街の中には、離れ小島のようにぽつんとのこされている、緑深き公園と、沼がある。
人もまばらな古代からずっと存在している(と、言い伝えられている)その沼には、今でも、さまざまな古きモノたちが集うのだという……。
そんな土地に住む『祓い屋』一郎太とその師匠・ゆずこ、そして古き沼の住人たちが織り成す、悲喜こもごもの物語。
このお話は、その、序章。私たちからの、自己紹介です。
※一話完結の連作短編です。語り手は各話によって違い、一定ではありません。
目次
完結 全1話
2023年07月28日 15:49 更新
登場人物
松島一郎太(まつしま いちろうた)
やたら顔面が美しい、祓い屋の青年。二十代前半。独身。和装を好む。
市井の民俗学者を名乗ってはいるが、実績は特にない。古武術の伝承者であったり、元ホストであったり、他にも様々な顔がある。特に裏は無い。
陸之助(みちのすけ)
沼周辺の民を守る『お社様』の助けとなり、あとを継ぐものとなるために、土地神としての修行に励む、小さな神さま。
元は何かの動物であったらしいのだが、自分でも正体が良く分からぬまま、二ホンカワウソの姿を得てしまう。
一応、ヒトの姿もとれるらしい。
捌本玖実(はちもと くみ)
とてもかわいい施設博物館の受付。事務もこなす(学芸員ではない)。一郎太と同い年。独身。
高校を卒業したのち、しばらく地元を離れ、とある地方都市で暮らしていた。訳あって最近帰郷し、就職したばかり。
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