ファンタージ

[現代アクション]

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【ハードボイルド小説】 
 最近はトンと見なくなった回転扉の中を、きっちり180度分まわって、俺たちはパレスホテルの広い吹き抜けのロビーに入った。
 間接照明の館内。ホテル業界では、これは『薄暗い』ではなく『落ち着いた』と表現しなければならない光量だそうだ。
 そんな件の業界の言う、落ち着いた雰囲気の中、旅の疲れを癒すために置かれたのであろう本革のソファーセットと観葉植物が順に並ぶ脇を早足で歩いて抜ける。
フカフカの絨毯。革靴の踵がめり込む。
場所柄を鑑みなくても踏みつけた感触で分かる。
敷いてあるブツは多分、最高級のものだ。本来、踏みつけるのは憚れる位の値段の。
俺たち三人とも、このホテルの利用者様には、ヨレヨレのくたびれた、との形容詞を付けられるかもしれないが一応、スーツを着込んでいるので咎められはしないだろうし、申し訳なく思う必要は無いが、最低限の礼儀として、場に似つかわしくなる様に靴は磨いてくれば良かったかもしれない。

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小説情報

ファンタージ

加来次郎吉  kakujirokichi

執筆状況
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0話
種類
一般小説
ジャンル
現代アクション
タグ
ハードボイルド, アクション, ピカレスク, 男の世界, 男主人公, 悪人, 長編, 女主人公
総文字数
0文字
公開日
2022年01月22日 19:30
最終更新日
ファンレター数
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