
モノクロの世界に、色をつける君へ。
俺の前の席に座る犬見まりもは、クラスメイトには秘密だが、今を時めく超有名神絵師だ。彼女の担当するライトノベルは年間12冊を超え、ツイッターでイラストをあげればたちまちいいねがつく。
そんな彼女の描くイラストは決まって『笑顔』で、前向きな気持ちにさせてくれるものばかりだが、『絵を描くのが楽しくなくなったら、いつでも絵師は辞めるから』と、今まで積み上げてきたものをあっさり捨てるような発言をする彼女に、俺は不安も覚えていた。
一方、俺にも秘密がある。俺はまりもの心の声が、ある日突然聞こえるようになってしまったのだ。
しかもそのせいで、彼女が俺のことを『好き』だと思っている事実を知ってしまう。
でも、俺は孤独だった過去が原因で『嫌われる』ことばかり恐れて、彼女の想いに踏み込む勇気が持てないでいた。
そんなある日、俺は実家を出なければならない理由ができ、まりもの住むクリエイター専門のシェアハウス『おえかき荘』で暮らすことになる。そこでたくさんの人と出会い、喧嘩をしたり、笑いあったり、様々な場面に出くわすのだが……。
「私、隼人が好き!」
ずっと不安だった。
いつか、まりもの想いと対峙する日がくることが。
そして、もう一つ。
君が「もう絵を描くのはやめる」と言う日がくることが、なによりも怖いことだったんだ……。
目次
完結 全30話
2021年01月14日 21:02 更新
- プロローグ 俺は、君の心の声が聞こえる。2021年01月12日
- 1-1 俺がまりもと出会った時のこと。2021年01月12日
- 1-2 絵を描くのをやめると軽率に言う彼女に。2021年01月12日
- 1-3 まりもの想いに応える勇気がないんだ。2021年01月12日
- 2-1 ある日突然、引っ越しを告げられた俺は。2021年01月12日
- 2-2 おえかき荘に一緒に住もう。2021年01月12日
- 2-3 ようこそおえかき荘へ。2021年01月12日
- 3-1 おえかき荘初日。2021年01月12日
- 3-2 明日、謝ろう。2021年01月12日
- 3-3 私も謝りたい。2021年01月12日
- 3-4 石坂愛は、あなどれない。2021年01月12日
- 4-1 〆切がやばい。2021年01月12日
- 4-2 どうしても気持ちが伝えられない。2021年01月12日
- 4-3 まりもは絶対に挫けない。2021年01月12日
- 4-4 何度だって、やり直す。2021年01月12日
- 4-5 隼人なんか嫌いだ。2021年01月12日
- 4-6 歯を食いしばって。2021年01月12日
- 4-7 絵を描くの、もう辞める。2021年01月14日
- 4-8 百合の思い。2021年01月13日
- 4-9 ちゃんと、向き合うから。2021年01月14日
- 5-1 まりもの恋人になって。2021年01月14日
- 5-2 絵が、描けなくなった。2021年01月14日
- 5-3 絵が描けなくなった理由。2021年01月14日
- 5-4 マキナの過去。2021年01月14日
- 5-5 俺は辞めてほしくないんだ。2021年01月14日
- 5-6 ディズニーランドへ。2021年01月14日
- 5-7 ねえまりも。今、幸せ?2021年01月14日
- 6-1 私、やればできる子なんで!2021年01月14日
- 6-2 夢に向かって。2021年01月14日
- エピローグ 幸せ!2021年01月14日
登場人物


遠藤隼人(えんどうはやと)……本作の主人公。過去友人ができたことがなく、嫌われることを極度に恐れる。まりもが好きだが、彼女に想いを伝えることが怖い。ある日突然まりもの心の声が聞こえるようになる。

マキナ……おえかき荘の住人。絵師。主にラノベの挿絵を仕事としている。明るい子。21歳。

笹塚(ささづか)はじめ……『おえかき荘』の住人。高校生だがプロのイラストレーター。まりものことが好きで、隼人のことを異常なほど敵視する。



ファンレター
クライマックス‼︎ 隼人が自分の気持ちをまりもに伝えるんだけれど名台詞の数々‼︎ まりものことを心から愛しているという気持ちが伝わってくる。 隼人はまりものお陰で成長し、今、成長した隼人が逆にまりもを助けているというシチュエーションが感動的でした。 これから二人三脚できっと青春を歩んでいけると思います。 こんなステキな小説はないと思います。
最初、2人のやりとりが笑ってしまいました。ラブコメそのものでとにかく楽しかったです。 でも2人でTDLを楽しんでいるときの隼人の思い。 真剣にまりもを愛し、まりもが輝くことを考えている。 隼人は友だちのいない惨めな青春なんか送っていない。本当の青春を歩んでいる。 そんな気持ちになって感動の鼓動が止まりませんでした‼︎
このエピソード、いいなあと思いました。 底辺だった隼人がまりものために、自分も変わろうとしている。 これこそ青春!そして独りよがりな一方通行な恋とは違う。 本当の恋の姿だと思った。 まりもも絵をやめないで欲しい‼︎ 続きが楽しみ‼︎
マキナの言葉がとにかく読んでいて心に響いてくる。 読んでいて自分がどう生きるかを見直したくなる。 色々なキャラの生き方がそれぞれ納得できる答えを読者に提供してくれて、その中で読者も主人公と一緒に考えたくなる。 読んでいて本当に楽しい‼︎
まりもとして幸せになれたから、イラストレーターの「みつる」はもう忘れたいというのでしょうか… でも主人公がまりもと仲良くなったのも、イラストレーターの「みつる」としての存在があったから… 主人公がまりもをイラストレーターとして復活させることが出来るかが、これからの見せ場になりそう。 うまくいって欲しい。
せっかくハッピーエンドになると思ってたのに、肝心のイラストの仕事が進んでいないと驚きの事実。読んでいる方もあ然。これからどうなるのか不安になってきました。 どうかふたりを幸せにしてください。お願いします。
この章、何度か読み返しました! 主人公の熱情が読む側にも伝わってきてヒロインがそれに動かされるのも当然という気がする。 最初からこんなに飛ばしていいのでしょうか! 読んでいて興奮しながら思いました。