セリフ詳細

 轟音とともにヘリコプターは隣のビルの屋上へ落下して激突した。爆発と炎がビルの上空に巻き上がった。


 爆風と共にヘリのローターの破片が、もし当たったならひとたまりもないスピードで、ヨウコとレイカのすぐ側をかすめるようにすり抜けていった。

 地上の群衆からも悲鳴と怒号が沸き起こり、恐怖と悲劇に慄きながらその惨状を見上げていた。

 一方赤い目の女は・・・・いつの間にかレイカとヨウコの真後ろに立っていた。女の両の手が伸びて、二人を夫々の肩をつかんいた。肩に置かれた女の手は凍りついたように血の気を失っていて硬く冷たく強く指が鎖骨の凹みに食い混んでいた。二人の少女は恐ろしのあまり振り返ることも出来ずにその場に棒立ちになったまま身動出来なかった。絶望という意味を初めて知った彼女たちは何も出来きないまま、真向かいで燃え上がる火の手を見つめるしかなかった。

 ヘリが墜落したビルの屋の火の手は拡大していって周囲を黒煙が覆っていった。生存者を期待するにはあまりに絶望的な光景だった。火の粉は空を舞い地上の人の群れに雪のように舞い落ちて行った。

 地獄の花火大会の開幕だった!

作品タイトル:とある廃墟ビルディングにて~赤い目の女編~

エピソード名:第5話

作者名:Tadashi_Kimura

3|ホラー|完結|5話|20,796文字

村山台駅, 心霊スポット, 黄昏症候群, 雛城高校, ホラー, 怪談, 女子高生, カタストロフ, 都市伝説, R15

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学校が終わり下校中の二人の女子高校生ヨウコとレイカ。他愛ないおしゃべりの最中にレイカが最近よくこの周辺で噂されている女性の幽霊のうわさ話を口にした。村山台駅のホームからも見えるビルディングにまつわる噂だ。明かりが灯るはずもないその最上階に、赤く二つの光が見えるという。そのビルは放置されてから10年は経つ廃墟でそこで飛び降りた女の幽霊が出るとか、火災で死んだ人の霊がうろついているとか、様々な曰くつきの噂が絶えない場所だ。おしゃべりで終わるだっはずが、好奇心もしくはこの世に存在しない何者かの手によって背中を押されたか分からないが、彼女らは噂の真相を突き止めるために、とある廃墟ビルディングへと向うのだった。その場のノリで行ったにすぎないかった廃墟で彼女たちが見たものとは‥‥。

※これは一般小説で書いた作品をテスト感覚でチャットノベル化してみた作品です。
人によって描写がグロくショッキングに感じるところがあるかもしれません。
表現の一部に人によってはグロやショッキングに感じるところがあるかもしれません。
これは必ずしも連続性はないですがシリーズ物です。