曲がりくねった道
東日本大震災がもたらした津波は、人々の暮らしを根こそぎ奪い取って、町を荒野に変えてしまった。僕は荒野に佇む、一台の郵便配達の赤いバイクを見つけた。僕はそのバイクに、人々の日常を垣間見て、同時にかつて大学で受けた文化人類学の講義をのことを思い出す。
地域社会が長い時間をかけて育んできた文化は、自然災害によって廃れるのではなく、むしろ機能的でデザイン性に優れた安全、安心を謳う復旧・復興計画そのものによって踏み潰されていく。災害からの復旧・復興は、自然に背を向けるのではなく、自然と共にあるべきで、繰り返される試行錯誤、曲がりくねった道こそが人間らしい文化の創造に繋がるのだ。
目次
完結 全1話
2021年04月26日 15:03 更新
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小説情報
曲がりくねった道
- 執筆状況
- 完結
- エピソード
- 1話
- 種類
- 一般小説
- ジャンル
- ノンフィクション
- タグ
- 【エッセイ賞】, 災害, 東日本大震災, 体験記, 復興, 文化人類学, エッセイ
- 総文字数
- 4,129文字
- 公開日
- 2021年04月05日 14:09
- 最終更新日
- 2021年04月26日 15:03
- ファンレター数
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