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作者ブックマーク

活動報告

ディバイデッド・フロントの思い出話

ふと、思い出したこと。

むかーし、拙作「ディバイデッド・フロント」を刊行したとき、割とよく見かけた書評が「ガンパレード・マーチみたい」というものでした。何なら「パクリ」と決めつけて酷評されてたり。
読者の感想に口を出すのは野暮ですし、「言われてみれば似てるか」と自分でも思ったので当時は黙ってましたが、作者としては全然ガンパレ意識してなかったんですよ、実は。
当時はガンパレが熱狂的なファンを獲得してた状況なので、そんな事を言おうものなら「いやどう見てもパクリだろ!オリジナリティ主張するなんて無理ありすぎ!」的に炎上するの間違い無かったと思います。
ただ、オリジナリティ主張する訳では全然無くて。むしろ私は先行作品を自分なりに研究して企画を立ててたので、パクリ元はちゃんと明確にありまして。

ディバイデッド・フロントを執筆する上で私が明確に念頭に置いていたのは、「バイオハザード」なんですよね…。

・主人公たちは、いかにもモンスターが出没しそうなエリアを探索する。その際、チームは分断される。
・建物内で嫌な気配を感じて振り向くとそこにモンスターが!
・「このドア開けたらモンスター出てくるだろうな」と思ってドア開けるとやっぱりいる!だからドア開けたくない!でも開ける!
・戦闘では残弾を気にしつつ戦う。そして弾は切れる。
・狙って構えて撃つと銃は百発百中(特にこれは頭の中で映像を思い浮かべながら書いてました)。
・通常戦闘での最強武器がデザートイーグル(作中では01式と呼称)
・クライマックスの戦闘では味方がヘリで助けに来てくれる。
・ロケランで敵ボスを瞬殺したりする。

などなど。「言われてみれば!」って思いません? ここまでガッツリ演出部分で影響を受けていたのに、「どこからともなく出現した敵と戦うから」という割と面倒だから適当にしておいた部分の方に引っ張られてガンパレガンパレと言われてた当時、「いやー、違うんだけどなー。でも完全に決めつけられてるから言っても信じないだろうしなー」と、ほんのり複雑な気分でありました。
ちなみに、設定部分では、水野良先生の「クリスタニア」(TRPG的な雰囲気や、隔絶された作品世界)、「デビルマン」、「寄生獣」(共生憑魔の設定)、あと、「主人公の特殊
能力は、武器としてよりも特定の場面で危機を脱するための演出として使う」という事を、「サイボーグ009」から影響を受けて心がけておりました。←これはあんまり上手く出来ませんでしたけど。
あとは、企画段階では、浜崎あゆみの迷彩ファッションが割と各種媒体でよく目にしてた時期なので、それを強調して企画を押したりしましたねー。

わりかし時間も経ちましたし、むしろここらで「がっつりとガンパレ」みたいな話も想像するのは楽しそうだなーと思ったりしました。思うだけで終わりそうですが。

2019年 05月14日 (火) 18:19|コメント(2)

ファンレターの出し方がよく分からないのでこちらに。

なろう系の漫画を読んで面白かったけどチートものは飽きたな、もっと死と隣り合わせで戦って、心も身体も傷ついて強くなって成長するような…と考えた時に、初めて出会ったライトノベルのことを思い出し、今更ながらファンレターなど送れないかと思った次第です。
最後の投稿が2019年とのことで、海にでも浮かべるつもりで、ディバイデッドフロント(以下、DF)を読んだ時のことを書きます。
私が初めてDFを読んだのは2004年、小学5年生の夏休みでした。図書館に通っていた私は、それまで読んだことのなかった小さな小説の世界に夢中になりました。憑魔という容易く人を喰い殺す化け物、それに寄生された主人公達、かっこいい銃撃戦、複雑で新鮮な人間関係、間違いなく今読んでも面白いと言える作品です。
寄生した憑魔は異性の憑魔に反応する、てのが自然に男女で行動することに繋がるよく出来た装置です。おじさんと活発な年下女子との恋愛もいいし、土岐君経由の一方通行恋愛も良かったです。遭遇戦の描写は本当にドキドキしたし、覚醒した土岐君の能力がかっこよくて自分が使えたらなんて想像もいっぱいしました。キャラの魅力も敵の魅力、すれ違いや別れ、世界感や描写、視点の変わる書き方、何もかもが好きでした。
上手く言葉を絞ってまとめることが出来ずあれもこれまで薄っぺらくなっちゃったかもですが、DFを置いてくれた図書館に、それを手に取った自分に良くやったと言いたいです。
きっと、また10年後にもふと思い出すでしょう。
面白い作品をありがとうございました。
yasuyoshi0141さんへ

拙作への嬉しいコメント、ありがとうございました。普段は放置してるこの場所ですが、コメントがあるとメールでお知らせがくるので海に浮かんでいたお言葉を見逃さずに済みましたw
もう作家としての活動は完全に停止している私ですが、若い頃に情熱を注いだ物語を、こんなに時間が経っても大切に思ってくださってる方がいるのだと思うと、とても嬉しい気持ちになります。
自分にもっと才能があれば…と当時を思い出すと悔しさややるせなさが胸を刺すのですが、そんな思いが少しは昇華される気がしました。重ね重ね、ありがとうございました。