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活動報告

正当化工作

「大丈夫だって、落ち着け」
「人間ってのはな、肯定した後に否定したい生き物なんだよ」
「―逆もそうなんだがね」

そう言って男は、自分のスマホのロックを解除した。
テキトウに漫画を読もうとしたようだ。
あいにく自分のスマホに入っているものは、読みかけのやる夫歴史スレに、積んでる個人製作漫画を除くとエロ同人しかない。
男が何も見なかったかのようにスマホを置いたのは予定通りだった。

「まあ」
「何はともあれ、だ」
「お前のタイピング練習は欲望を生んだ」
「いつ詰んでもおかしくないお前が何かやろうとしてるのは少なくとも悪いことじゃない」

自分は包丁を手に取った。
さっき炒飯のためにニンニクを切った包丁で、この男を殺そうとした。

「ところで...10円セールだけど?」

自分はスマホと共に床についた。

2023年 09月13日 (水) 03:01|コメント(0)

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