アラン・フリールと愉快な動物譚
現実の無慈悲に打ちのめされた妖精譚を生きる、人間と妖精の足掻き。
哀しくも愛おしい動物譚/短編集。
【ペンギン復活隊】
・あらすじ
1844年夏、元祖ペンギン・オオウミガラスの最後の一羽が殺された。
子孫を護ると、はじめて友達になったペンギンに約束した妖精が、絶滅を覆すべく、ペンギン復活隊を結成する。
数か月後、妖精好きの青年アランは、気になる女の妖精が「ペンギンになって、わたしと交尾しない?」と津々浦々で話す姿を見つける。
連れられた先で、人間と引き換えに正義と交尾を迫られて……。
・補足
約2万字、計10項。
千年婚活の少し前だが、独立している。
書影はオーデュボンより。
【独り歩きの大冒険】
・あらすじ
床に落ちたベーコンを巡ってよく取っ組み合った猫が、唐突に話し始めた。
「呪われた同志を見捨てるわけにはいかない。縊り殺されたとしても」
妖精好きの青年アランは、そのカットシー/独り歩きに同行し、猫の王様の葬式に押し入る。一人と一匹は数百匹の騎士団と対峙し、災厄の王女まで立ち塞がる。
「君は、わたしの友達を傷つけた」
独り歩きは孤独に戦い続ける。
その最後の瞬間まで、アランは独り歩きの横に立ち続け……。
・補足
約2万字、計10項
飢饉の翅音より少し後だが、独立している。
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