第11話

文字数 1,551文字


欲望のザ・ゲーム(1979年作品)第10回 南条則夫の超能力と黄泉の軍隊をめぐって、米ソ両国のエリート部隊の熾烈な戦いの果ては。




「まあ、僕にまかせておきたまえ。僕はこの

局地戦を見ていてね、この久賀島での戦争ゲ

ームが子供の遊びだって事に気がついたんだ」

「ほう、偉いじ?ないか。それで」



 「僕はこの島久我島を出て、傭兵部隊を作るよ。世

界を相手に商売をするよ。僕の。黄泉の軍隊を

使ってね」



 「よ、傭兵部隊だって」



 「七うさ、世界の軍隊を相手に戦争ができる

からね」



 「それで、俺はどうすればいいのだ」



 「そう、僕はなりは子供だからね、僕のビジネスに

は大人の君が必要なんだ。公の場所へ僕が行けば、

まとまる話もまとまらないだろう。だから大人の君。

協力者が必要なんだ



 俺は考えていた。



 「話はわかった。俺が総合案内所ってわけだな。



うIん、傭兵か、悪い話じ

?ない。探偵よりはもうかるだろうな」



 俺の頭は極めて単純にできている。



 「そりや、もうかるさ、100億単位さ」



 「乗った。俺は七の話に乗った」



 外では米軍が最初優位に立っていたが、ソ

連軍のロケ″卜弾発射筒RPG-7Gの「発

が数人のグリーンベレーをなぎ倒してから、

レイドビキが優位に立った。



 数時間後、相方、一人ずつしか残っていな

かった。両軍とも死亡するか、かなりの重傷

を負ご?ていたのだ。 



 両軍の指揮官は同一の命令を受けていた。



もし南条則夫が敵の手に渡りそうならば、機

先を制して、則夫を殺せと。



 意を決した二人は同時に立ちあがり、各々

のバズーカを拝所うがんじよへ向けていた。



 拝所うかんじよはバラバラに吹き飛ん

だ。両軍の指揮官は「やった」と叫んだあと、一

同時に、相手の存在に気がついた。



 ほんの数百分の一秒間、彼らはにらみあっ

ていたが、両者同時に拳銃を抜いた。ソ連兵

はPMからマカ’ロフ弾を、米兵はバイスタン

グートHDから、22口径弾を相手にめがけて

発射した。銃声は一発にしか聞こえなかった。



二人は。やはり同時に倒れた。



 ホワイトハウス内の大統領執務室内に偵察

衛星からの映像が受信されていた。



 「残念、引きわけに終ったか」



「もう少しの所でしたが」



「南条則夫の問題もうまく片づいたようだ」



「大統領、クレムリンからホ″卜=ラインが

入ってきておりますが」



 「よし、でよう」



 両首脳はお互いの軍の健闘を誉め称えた。



 両国は暗黙の了解で南条則夫のことにはふれられ

なかった。そして、年に一回、このような模擬戦

闘を行う事を両国はとり決めた。



 久賀島沖に一隻のヴィクター型ソ連潜水艦

が突然出現し、太平洋艦隊から離脱しょうと

していることにクレムリンは気づいていなか

 った。それに七のヴィクター型潜水艦は登録

番号がなかった。



■ 



「私達二人だけにして下さい」

洋子は、心配

げなリ・Iマソ侯爵に向かって言った。

 ・洋子の部屋にはいる。洋子は俺にしなだれ

るように言った。



「西さん、話があるの」

「ほほ、又、子供が誘拐されたとでも言うの

かね」

 「冗談を言っている場合じゃないわ」

 「俺も冗談を言いたくはない。洋子、よくも

俺をだまして則夫のゲームにしてくれたね」

 「南条財閥の半分でどう」

 「何だって」



 「私の義理の父は死んだわ。アメリカかソ連

の情報部、あるいは両方の計り事ですね」



 「あの子を渡さなかったからかね」

 「たぶんね、私の話わかるかしら。あの子ま

だ生きているんでしよ。それでなければ、あ

なたがここにいるわけはないわね」



 「つまり、則夫を俺が殺せというわけかね」

 「そう、そうよ。そうすれば、南条家の全財

産は私達のものよ」

 【残念ながら、。俺は傭われているんだ。今雇用主がいるんだ】

 「誰に、ひょっとして」



 「そう、あんたんとこの南条則夫にね」



ザ・ゲーム(1979年作品)第10回 
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俺。横浜にいる旧いタイプの私立探偵

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