ビールが飲みたくなる? 音楽
文字数 2,647文字
準決勝の9回ウラ、ツーベースヒットを打った大谷君が塁上で吠えたのが格好良かったわね!
うう、あの場面で村上が打ってくれて良かった……!これまで打てなくてさんざんバッシングされてて、悔しかったんだから。
もう、すっかりニワカ野球ファンになっちゃって!たしかに準決勝のサヨナラ勝ちは、マンガよりマンガらしい試合だったわね。
ニワカじゃないですー。これでも毎週、NHKの野球番組『球辞苑』を観てるんだからね!
NHKと言えば、
『レジェンドの目撃者』の「遅球王 星野伸之」回は、すっごく感動だったわね。
野球中継を観ていると、ビールのCMが多いじゃない?ビールのCMに使われている楽曲って、なんか耳に残るわよね。
Gipsy Kings "Volare" (1999年)
ジプシー・キングスは、1978年に南フランスで結成された、カタルーニャ地方のルンバ、フラメンコ、サルサ、ポップスを演奏するバンド。
主にカタルーニャ語で歌うが、スペイン語と南フランスの方言が混じることも。
バンドのメンバーはフランス生まれだが、両親はほとんどが1930年代のスペイン内戦でスペインから逃れた「ジターノ」(スペイン・ロマ)であった。
ヴォーラーレ!!あー、この曲、いかにもビールの曲って感じよね!!
ジプシー・キングスが1999年にリリースした「Volare」はね、実はカバー曲なの。
オリジナルは、ドメニコ・モドゥーニョが1958年にリリースした「Nel blu, dipinto di blu」(青く塗られた青の中で)という歌なのよ。
”Nel blu, dipinto di blu"作曲:Domenico Modugno
歌詞:Franco Migliacci, Domenico Modugno
ドメニコ・モドゥーニョ(1928年 - 1994年)はイタリアの歌手で、後年はイタリア国会議員も務めた。
1958年の世界的ヒット曲「Nel blu dipinto di blu」で知られ、この曲はグラミー賞史上初の年間最優秀レコード賞と年間最優秀楽曲賞の両方を受賞した。その年のビルボードの年間ナンバーワン・シングルにも選ばれ、全世界で1800万枚を売り上げた。
ええ、これがオリジナル曲なの!?なんと言うか、ムード歌謡……?
ぜんぜんビールの曲っぽくないね。
ドメニコ・モドゥーニョが作曲したこの曲は、その後、いくつもの言語に翻訳されて、さまざまな演奏家にカバーされたの。
世界的にはビールの曲と言うより、サッカーの応援歌として使われているわね!
WBCの中継を観ていて、キリン・スプリングバレーのCMが何回も流れたでしょ?よく知らないけど、あの曲、良いよね!!
ああ、吉永小百合さんのやつね。あの曲は、ビリー・ジョエルが1973年にリリースした「ピアノ・マン」よ。
Billy Joel "Piano Man" (1973年)
"Piano Man"は、アメリカのシンガーソングライター、ビリー・ジョエルが作詞・作曲した曲。
この曲は、バーでピアノを弾いていたジョエルの視点から、そこでの経験や出会った人々を回想して歌われている。ジョエルが1972年から1973年にかけて、ロサンゼルスでラウンジ・ミュージシャンとして活動していた時の実体験を基にしたものである。
2015年、米国議会図書館は"Piano Man"を「文化的、歴史的、芸術的意義」があるとして、ナショナル・レコーディング・レジストリに保存することを選定した。
このハーモニカ! これこれ、この曲!!
あーでも、歌っているひと、CMと違くない?
CM曲の方は中高生の合唱団が歌ってそう。声の感じが若いし。
そうね!
CMで使われている録音とは違うけど、合唱と言えば、アメリカの人気ドラマ『glee』(グリー)でカバーされたバージョンがおすすめよ。
これ、ホントに高校の合唱部(グリークラブ)が歌ってるの?上手すぎじゃない……!?
まあ、そういう設定のドラマだからね。このGleeキャストによるカバーの方が、オリジナル曲よりも好きだな。
Sing us a song you're the piano man
Sing us a song tonight
Well we're all in the mood for a melody
And you've got us feeling alright
歌ってくれ、ピアノ弾き歌ってくれ、今夜
おれたちはみんな、メロディーを求めてるんだ
おれたちをいい気分にさせてくれよ
He says,"Bill, I believe this is killing me."
As a smile ran away from his face
"Well, I'm sure that I could be a movie star
If I could get out of this place."
Now Paul is a real estate novelist
Who never had time for a wife
And he's talking with Davy, who's still in the Navy
And probably will be for life
「不動産屋で働きながら小説を書いていて、結婚する余裕もないポール」って、なんか切ないわ。
「映画スター」だったり、「小説家」だったり、このバーで飲んでいる男たちは夢を捨てきれないでいるのね。
ジョエルによればね、この曲で描かれた登場人物はすべて実在のモデルがいたの。小説家を夢見る不動産業者「ポール」は、毎晩バーに座って、次の偉大なアメリカ小説になると信じて執筆していたそうよ。
せ、切ないよ、ポール……!
誰もが人生の勝ち組になれるわけじゃないし、
努力したからって、必ずしも報われるわけじゃないよね。
WBCの決勝戦は、会場がすごい「USA!!」コールだったじゃない。試合には勝ち負けが必ずあるものだからね、アメリカを応援していた観衆は、結果にものすごくがっかりしたと思うの。
思い通りになることばかりじゃないから、この曲がぐっとくるのかもしれないわね!
ラーララーディディダー、
明るい曲調だけど、人生の悲哀を感じさせてくれる歌よね……。
まあ、いまイントロを聴くと、「キリン・スプリングバレー」ってナレーションが脳内で流れるけどね!
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