紙本その3「夢百夜」

文字数 1,587文字

「完全入稿」体験談の前に、
「自費出版」のほうの体験をお話ししておいたほうがいいかもしれません。

ノベデイでは3巻に分けている『夢百夜』。
これを紙の本にしたいなあとは、前から思っていました。
告白しますと、いろんな文学賞に応募してはみたんです。でも全滅。
敗因はたぶん、いまの流行りの作風ではないことと……
やっぱり、原稿用紙650枚という長さでしょうね、異世界で無双するわけでもないのに! 笑

だから、私が自分で本にしないと、これはたぶん誰も本にしてくれないだろうなと。笑
私の生きているあいだには。笑 ←ここ笑うところ?

さて、自費出版を請け負ってくれる会社は、探せばけっこうあります。
その中の一つ二つに当たってみて、ある所にお願いすることにしました。
結果、とーっても素敵な造本にしていただきました!

まず、B5変形の正方形という、ちょっと変わった形。これ、絵本みたいで開きやすいです。
本文用紙も軽いのにして、厚みのわりには手に負担が少ないです。
見返しの色も素敵なのを選んでいただきました。「菜花」(菜の花)という色だそうです。
画像でうまくお見せできないのが残念。
ぜひ! お手に取ってご覧いただけたらと!^^

(小声で)ゆいいつ……
表紙のデザインは、自分ですればよかったな、と後悔しています。
ちょっと可愛らしすぎた。



いちばん最初の打ち合わせで、
「夢だから夜空、というのは(いかにもありがちだから)、それはなしで」
とお伝えしたのに、
日程もぎりぎりになって印刷会社専属のデザイナーさんが出してきた案が、まさかの夜空で。
かるく目を疑いました。

それでも、考えて(私が)、
1.空の色を黒から白に変えてもらい、
2.星の中にトランクや眼鏡や砂時計やロールケーキをまぎれこませてもらいました。(ショートケーキは頼んでない。)
この話書こうか書くまいか迷ったんだけど、書くことにします。
そうなんです。私のアイデアです。
こんなことなら始めから自分でデザインすればよかった。
「プロ」におまかせすればうまくいくとは限らなかったです。手痛い勉強代でした。

この画像よりは、本物の紙の本のほうが、ずっと感じが良いです。
それでも、自分としては、ちょっと悲しかったので……
しょんぼりしていたら、相方が思いがけないことを言いだしました。
「これ、『帯』ってないの?」

「え?」と私。
「いや、ほら」と彼。「本屋さんで売ってる本は、『帯』が巻いてあるでしょ。
 宣伝文句とか、本の内容の紹介とか書いてあって」

それだ! と思いました。
帯を作って、かけちゃおうと。それは自分でデザインしちゃおうと。
これがまた、大変でした。横に細長いのはパソコンの画面で確認しづらくて!泣
まあ、その苦労話は、省略。



どうでしょうか。
帯の威力、半端なくないですか?
いままで本を買うとわりとすぐ帯をとって捨てちゃったりしていたんだけど、反省しました。
これからはもっと帯たちを大事にしようと思います!

印刷会社さんによっては、同人誌(個人の本作り)であっても、
冊子本体とカバーや帯をセットで(なんなら3点セットで)作ってくれる所があります。
私は今回、冊子はもうできてしまっていて帯だけの作成なので、
CanvaでデザインしてPDFでダウンロードして、プリントパックさんに発注しました。
プリントパックさんは帯の両端に折り目をつけて納品してくれます。
他の所だと片端だけというのが多いかな。(プリンパさんはそうでした。)
この折り目をつけるのはたいていオプション=別注で……
待って、いま確認したら、プリントパックさんは両端スジ加工がデフォルトだ。すごい!!

ちなみに、この帯にある百合の花ですが、
漱石の『夢十夜』第一夜に出てくる百合でもあり、
太宰治の短編「フォスフォレッスセンス」に出てくる架空の花でもあります。
文学好きなかたは、「ははあ」と喜んでくださるんじゃないかと思って。^^
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