第12話 文学賞で嫌がられそうな作品

文字数 2,604文字

 暗くなってきたので、話題を変えます。
 ご存じの方も大勢いると思いますが、ここでは私が思う、
 『文学賞で嫌がられる(ていそうな)作品』を述べていきます。
 アニメや漫画の二次創作:
 審査員や編集者の中には漫画やアニメを知らない方が多くいます。〈この作品面白い〉と受賞させた作品が実は、ある漫画(アニメ)の二次創作だった、では困ります。(実際にあった話、だそうです)

 シリーズもの(完結していない物):
 私は続きものを、終わると見せかけて、応募していました。〈それで受賞したら、受賞後第一作は続編出そう〉なんて考えながら。これはまあ、セーフみたいです。一応、終わらせているので。← 勝手な解釈です。本当はお勧めできません。
 とはいえ、以前出した作品は、これは続きものだと、タイトルでバレバレだったみたいで訂正されていました。続編はどこの文学賞にも出せないので、ノベルデイズさんに載せさせていただいています。有り難うございます。
 さて、話は戻り、文学賞に応募するのに問題なのは、伏線を拾いきれずに終わっている、「この二人の進展はいかに」、「次回作で種明かしします」みたいな作品です。「今書け」、「もったいぶるな」、と審査員から確実に不評を買います。実際にはもっと丁寧な言い方でしたが、ある文学賞の講評で書かれていました。

 基本、二次創作とシリーズもの(続きもの)は、嫌がられます。
「趣味で書けばいい、文学賞には出さないでくれ」というのが本音のようです。(実話)
 ……私のこと、ですね。すみませんでした……。反省。

 ご都合主義のストーリ―:
 突然誘拐された、一夜を共にした相手が社長だった、レ〇プした相手を好きになった……。漫画ではあるある展開ですが、小説では嫌われます。よほど繊細に緻密に書いても、読み手を納得させるのは難しい。
 例えば、被害者を前に犯罪者が自分の悲しい過去を延々と打ち明けても、罪を犯した言い訳にはならない、って思いませんか? 私は思います。
 芥川賞作品にもご都合主義の作品がありましたが、それはまあ受賞した著者が有名人であったからではないか、と個人的には思っています。アマチュアは確実に落とされます。多分。

 時代背景・時代考証を無視した作品:
 時代劇を扱う文学賞ではその道のプロが審査します。時代考証がおかしいと、審査員、おそらく編集者にも見破られます。
 私が覚えている範囲ですが、参勤交代は○○年からだから(作品内の)この時は始まっていない。この年は○○の大飢饉があり餓死者が大勢出た、農民が白米を食べている描写はおかしい。他にも、着物の着方がうんぬん、家紋の描写がああだこうだ……等々。
 当時、私はそういうことを知らなかったので、へえ、ほお、ふうーんと読んでいました。時代劇って書くの大変、とも……。
 新人賞の最終選考に残った作品で、時代劇ものがありましたが、時代劇に詳しい審査員にこき下ろされていました。刀の鞘の名前の漢字が、調味料の漢字になっているとかで。
 最終選考に残った作品は審査員に読まれる前に一度手直しできると聞きますが、この文学賞にはなかったのか、もしくは編集者も時代劇には詳しくなかったのか。
 受賞できないうえ、審査員にこき下ろされたらショックですよね。他人事ながら同情します。ちなみにその単語、電子辞書では出てこず、ネット検索でやっと出てきました。
 (注)受賞していたら私の記憶違いです、すみません。うわっ、こわっ、と思ったのははっきりと覚えています。

 ジャンル違いの作品:
 例えば時代劇を応募する文学賞にSFが送られてくると、文学賞の運営側は首を傾げます。「なんでうちに出したの。うちの文学賞を何も調べずに送ってきたな」と思われてもしかたありません。うーん、例えていうなら、絵本がほしいのにライダーベルトを渡された感じかな。……分かりにくかったら、すみません。
 私は一度、自分が書いたテーマと同じ内容の書籍が出ている出版社だからと、文学賞の傾向を無視して(一応、過去作品を読みはしましたが……)応募したことがあります。
 結論、これは止めましょう。
 同じ出版社であっても、エッセイ、文学、漫画、ラノベ、一般小説……、それぞれ部署?が別れており、それぞれ別々に動いています。一般小説の部署に所属している編集者が同じ会社が出している漫画を知らない、こともあるそうです。
 同じ出版社でも、求める作品は違う。
 これを念頭に置き、あくまで応募する文学賞が求めるジャンルや傾向の作品を送りましょう。……って、私だけかな、こういう失敗するの。

 著名作家・流行作家を真似た作品:
 一時期、村〇春〇さん、流行りましたね。今もノーベル賞時期になると、話題にのぼります。この方の文体や作風を真似た作品が増えた時期があったそうです。今は下火なのかな? 他にもある作品が爆発的に売れるとその作家の文体や作風を真似た作品が出てくるとか。
 それについては審査員の方が苦言を呈する記事が載っていました。
 私も〇上〇樹さんではありませんが、文体や文章の練習として、ある新聞の天〇人〇や、宮〇みゆきさんの小説を書き写していました。早く文章を上手くなりたくてプロに学ぼう、と思い。
 結局、私的にはこれ(模写)は身についたのかどうか、分かりません。時間の無駄だったかも、なんて。自分で言っておいて、へこむわ……。結構時間かけていたのに……。
 模写のしすぎでそうなったのか、意図的に真似たのかは分かりませんが、著名な作家の作風を真似た作品は歓迎されない、です。

 流行に乗った作品:
 ドラマや漫画、映画で、シェアハウスもの、警察もの、医者もの、その時々で流行りました。小説でもそういうジャンル?が受賞したり、ベストセラーになると、応募作品にも同じような医師もの、刑事ものが多数送られてくる、と何かの記事で読みました。もうそういうのは読み飽きた、とも。
 医師ものが流行っていた時、私も医学ものを一つ書いて応募しましたが、これは流行に乗っかるつもりは全くなく、書きたいテーマがそうだっただけで、――ごにょごにょ……(言い訳が続くので省きます)。
 書きたいものがそれ(医師もの、刑事もの等々)だった以外は、受け狙いで流行りのジャンルは書かない方がいいです。目利きの審査員、編集者には、受け狙いかどうか見破られます、きっと。


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