二章　パラグラフリーディング

　成海たちは右腕を発見したときの状況を、制服警官に話していた。やがて、機動捜査隊が到着する。見慣れた顔が含まれていた。成海の同級生、藤堂平助だった。
　藤堂は遊撃連携係に所属する刑事だった。藤堂はかつて暴力団のビルがちかくにあったことを伝える。さらなる捜査は葛西署で行うらしい。藤堂とわかれる。成海と葵は、ほんらいの目的である葛西周辺の観光取材にもどった。一日目の午前中は葛西臨海公園をまわる予定だった。
　成海たちは公園内を周回するバス、パークトレインにのった。初恋の相手、工藤葵と楽しい時間をすごしていたが、突如として、不穏な声がきこえる。ふたりの男の口論だった。
　ひとりは葵が顔を知っていた。多目的研究センターの研究員、三浦真だった。成海は喧嘩になることを心配し、彼らのもとへと急ぐのだった。