初恋の詩

文字数 1,482文字

中高生くらいのとき書いた詩(習作)
似たようなのを高校と大学の同人誌に書いた。

<ランナー>
  1
僕はランナー
炎天の中を駆ける
僕はランナー
建物の周囲を回る

ランナーは洗濯機
グルグルと渦巻き
心の汚濁、懊悩を洗い流す

太陽は洗剤
流汗は清水
サンサンと陽は照り
セイセイと汗は流れる

洗濯機よ
洗剤を入れ
清水を流し
渦巻を為し
清らかな洗濯物をつくれ

  2
炎天の中
僕は走りたかった
炎天の中
僕は走りたくなかった

僕は走るのをやめた
そのとき、そこに君が・・・

僕は天使を見る
天使は僕を見る

僕の心の海に
吃驚と動揺の波浪が立つ
僕の心の海に
歓喜と悲哀の海流が入りまじる

僕は天使の傍らを通り過ぎる
天使から僕は離れていく

僕は走りだす
天使から離れるため
僕は走りだす
天使の面影を抱きながら

<真夏のランナー>
  1  
炎天の中、僕は走っている
グルグルと建物の周囲を、幾度となく
ランナーは洗濯機だ!
さしずめ、太陽は汚れを落とすのを促す洗剤
サンサンと陽は照り―心のしこりは消える
そして、汗は汚れや悩みを流す清流
セイセイと汗は流れー心のわだかまりを流し去る
ランナーよ、真っ白な洗濯物をつくれ!
僕は走りつづけようとした
砂漠の中にいるような炎天の中を
僕は走らなければならないと思っていた
砂漠を彷徨するかのように建物の周囲を回っていた
砂漠をさまようのが嫌で僕は走るのをやめてしまった
そのとき、君を見た
僕はオアシスの中にいる
君は砂漠に咲く一輪の花
再び、この場所を訪れると
もう花はどこにもなかった
いっか見た花は
砂漠に咲く花は僕の心を嵐にする花は

  2
炎天の中、僕は走りたかった
炎天の中、僕は走りたくなかった
僕は走るのをやめる
その時、君が・・・

僕は天使を見る
僕の心の海に吃驚と動揺の波浪が立つ
天使は僕を見る
僕の心の海に歓喜と悲哀の海流が入りまじる

僕は天使の傍らを通る
僕は天使から離れるため走りだす
僕は天使の面影を抱きながら走り去る
僕は天使から離れて行く

炎天の中僕は走りたかった
砂漠のような大地を風のように走りたかった

風は花を観賞するために風速をあげる
だが花は無かった
草原は消え、風は凪ぐ
そしてまた僕は猛暑の中を走っている
花を想いながら

真夏のランナー
真夏の暑さ故、幻をみる
種々様々な幻で
夢をのせて駆けろ
真夏のランナー

  3
砂漠の中を
僕は風のように走る
砂漠の中で
僕は一輪の花を見つける

以前見た一輪の花は
僕の心の海を荒らした
ここにある一輪の花も
僕の心の海を荒らす

僕は花を摘むことはできない
でも、観賞することはできる

僕はまたここを去る
砂漠に咲く花を観賞するために
僕は風のように走る
砂漠に咲く花を観賞するために

またこの場所を訪れると
もう花はどこにもなかった

  4
僕は走っている
猛暑の中を
ここは砂漠だ!
僕は砂漠を彷徨する放浪者だ
僕は走るのをやめた
そのとき、君が・・・
これは幻影か、いや蜃気楼か
僕は君を見る
心の海に吃驚と動揺の波浪が立つ
君が僕を見る
心の海に歓喜と悲哀の海流が入りまじる
風が君の吃驚を運び、僕に囁く
君は何を思いそこにいるのか
僕は何を思い君の傍らを通り過ぎるのか
それは君のこと、では君は?
僕は君から離れるため再び走りだす
君の姿を脳裏に焼きつけながら
僕は風の如く駆けることを欲する
すると砂漠は草原に変貌する
僕は風と化し草原を駆ける
そしてまた、君と逢う
君は花と化し草原に咲く
ただ一輪の花として
風は花の戸惑いを感じながら
花を通り過ぎる刹那に
花を観賞するだけ
風は花を過ぎ
彼方へと去る

対比と置き換え・繰り返しが自分の特長なんだな、という感想。
ふと思うと、卒業制作の「喪失」にも似たような小説の断片として書いてたわ、初恋や恋愛としてではないけど。




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