第1話 源流思想 ソクラテス

文字数 918文字

 えーと、これから話すのは哲学とか宗教のことなんだけど、話のネタはだいたい高校生が使ってる倫理の教科書とか参考書からとってきてるんだ。
 ほんとは、だれかが書いた本を直接勉強したり、そうした本から気になった問題についていろいろ調べたり、あれこれ考えたりして、自分の考えをつくったりするのがいいんだろうけど、時間もかかるし、労力もいるから、とりあえず、解説本の解説をする感じになるかな。まあ、高校生が倫理の時間に習うようなことばかりだけど、この分野がどんな内容を扱うのか、おおざっぱな理解はできると思う。
 あ、それと、試験勉強でもないから、試験に出そうなことを網羅的に勉強したりもしないし、気楽にきいてほしい。

無知の知

 ソクラテスって名前は知ってると思うけど、この人は40歳ぐらいのとき、予言の神アポロンを祀る神殿で「ソクラテスより知恵のあるものはいない」って神託があったことを聞き、自分は知恵があると思っていないのに、どうしてなんだろうと思って世間で評判の人たちのところへ行って、問答を繰り返したらしい。
 その結果、ソクラテスは、彼らは何が正しく、何が魂を善きものへ導くかを知らないにもかかわらず、知っていると思い込んでいるという考えにいたった。そこで、自分は、無知であることを知っているだけ彼らより知恵があるのだというふうに、神託の意味を理解したって言われている。

死刑

 で、ソクラテスは、知恵があると思い込んでる人たちの無知を自覚させようとしたんだけど、これが恨みを買って、裁判にかけられることになった。裁判で自分のやったことには正当性があって、自分は刑罰でなく国立迎賓館でもてなされることがふさわしいとまで主張した結果、民衆による裁判で死刑判決が下り、不当な判決であっても、脱獄は不正になるって理由でことわり、毒杯をあおいで死んだらしい。

 ソクラテスやソクラテスに死刑判決を下した人たちの行為がどう解釈されてきたかは知らない。ただ、ミルって人は、「満足した豚であるよりは、不満足な人問である方がよく,満足した愚か者であるよりは、不満足なソクラテスである方がよい」って言ってるし、ソクラテスを偶像として英雄視する見方もあるんだとおもう。

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