狩野岑信 元禄二刀流絵巻
狩野岑信は、江戸中期の幕府御用絵師である。竹川町狩野家の次男に生まれながら、特に分家を許され、さらに、父や兄を差し置いて、御用絵師総上席、狩野派最初の奥絵師となった。
特筆すべき代表作もないことから、従来、時の将軍に気に入られて出世しただけの男と見られてきた。しかし、彼は、主君が将軍になったその年に死んでいるのである。これはどういうことなのか。
彼の特異な点は、「松本友盛」という主君から賜った別名(むしろ本名)があったことだ。この名前で、土圭之間詰め番士という武官職をも務めていた。
舞台は、赤穂事件のあった元禄時代、生類憐れみの令に支配された江戸の町。主人公は、様々な歴史上の事件や人物とも関りながら成長して行く。
これは、絵師と武士、二つの名前と二つの役職を持ち、張り巡らされた陰謀から主君を守り、遂に六代将軍に押し上げた謎の男・狩野岑信の一生を読み解く物語である。
書影画像:狩野岑信筆「菊慈童図」(自己所蔵)
目次
連載中 全44話
2024年05月20日 11:00 更新
- 物語前半の主要登場人物2023年12月09日
- 序章 将軍宣下の朝2023年12月15日
- 第1章 江戸から来た人2023年12月16日
- 第2章 吉之助の富士(前段)2023年12月19日
- 第3章 吉之助の富士(後段)2023年12月20日
- 第4章 新見正友の出奔2023年12月23日
- 第5章 腕試し2023年12月26日
- 第6章 今日から俺は2023年12月29日
- 第7章 出府命令2023年12月30日
- 第8章 十六年ぶりの江戸2024年01月05日
- 第9章 御前試合2024年01月09日
- 第10章 甲府中納言2024年01月19日
- 第11章 謀反人の子2024年01月16日
- 第12章 槍と三尊石2024年01月21日
- 第13章 初任務2024年01月23日
- 第14章 近親憎悪2024年01月27日
- 第15章 護衛道中2024年01月30日
- 第16章 一蝶の覚悟2024年02月02日
- 第17章 新しい役職2024年02月07日
- 第18章 島原遊郭の一番星2024年02月17日
- 第19章 伏見稲荷の護符2024年02月16日
- 第20章 鶴御成の罠2024年02月21日
- 第21章 鳳眼の賢女2024年02月25日
- 第22章 応山公の名物裂2024年03月20日
- 第23章 大根の葉2024年03月07日
- 第24章 奸計2024年03月10日
- 第25章 津山藩改易騒動2024年03月16日
- 第26章 鶴来る2024年03月19日
- 第27章 駒込の妖怪2024年03月24日
- 第28章 御前様の注文2024年03月28日
- 第29章 隨川岑信の誕生2024年03月31日
- 第30章 勅額火事2024年04月04日
- 第31章 上野出陣始末2024年04月09日
- 第32章 飛び火2024年04月14日
- 第33章 犬神退治2024年04月17日
- 第34章 うごめく者2024年04月21日
- 第35章 竜之進遭難2024年04月25日
- 第36章 武田の隠し金山2024年04月27日
- 第37章 はぐれ新陰流2024年05月03日
- 第38章 甲州街道関野宿2024年05月07日
- 第39章 大月宿のかまいたち2024年05月11日
- 第40章 笹子峠の矢立杉2024年05月14日
- 第41章 夜襲!勝沼宿脇本陣(前段)2024年05月18日
- 第42章 夜襲!勝沼宿脇本陣(後段)2024年05月20日
登場人物
狩野吉之助(かのう・きちのすけ)
本作の主人公
男性、35歳、既婚
題名の「狩野岑信」は、彼が御用絵師として用いた名前
後にもうひとつ、「松本友盛」という別名(むしろ本名)を持つ。
江戸画壇の総帥・狩野常信の次男
兄に優る絵画の才能を持ちながら、勘当同然に家を出された。
甲斐で山役人として生き直していたところ、偶然の出会いから風雲渦巻く江戸に戻る。
その後、絵師と武士の二刀流で主君のために奮闘する。
身長六尺二寸(約185cm)の大男
絵師とは思えぬ厳つい面貌
得意とする武術は杖術(山役人になってから習得)
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小説情報
狩野岑信 元禄二刀流絵巻
- 執筆状況
- 連載中
- エピソード
- 44話
- 種類
- 一般小説
- ジャンル
- 歴史
- タグ
- 歴史, 江戸時代, 元禄時代, 江戸美術, 狩野派, 職業もの, 男主人公, 絵師, 武士, 狩野岑信
- 総文字数
- 128,917文字
- 公開日
- 2023年12月01日 08:26
- 最終更新日
- 2024年05月20日 11:00
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