ハッカー

文字数 962文字

コンピューターで管理している工場がハッカーに狙われた。

圭介の目の前で人間達が工場から逃げて行く。

力の仕業?いや、力にはパソコンを与えてない。

じゃあ、誰が?

孝は怒り逃亡者を捕まえるのではなく殺傷しろと命令した。

「力は、学校か?」

孝は圭介の自宅に押しかけてきた。

「はい。」

「連れ戻すぞ!」

「何で力を?」

「お前はバカか?

アイツにはコンピューターの事も強く教育した。」

孝は、力を疑っているようだった。

学校に着くと力を強引に孝はワゴン車に入れた。

「ウィルスを殺すんだ!」

「分かりました。」

力は、特に気にするようでなくパソコンの前に座った。

「父さんやり過ぎだよ。」

「何も出来ないお前は口を挟むな!」

「父さん、僕なら大丈夫です。」

とパソコンキーを滑らかに押す力は言った。

圭介は、脱力した。

小一時間すると終わりましたと力は孝に言った。

「被害額は?」

「全国を合わせても一億程度です。」

「良くやった。」

と孝は言って学校に戻らせた。

そんな事があっても力は、何とも思っていないらしく夕食を食べていた。

「今日、昼間悪かったな。」

「良いですよ、父さんの力になれて。」

「力…。無理してないか?」

「全然大丈夫だよ。」

満面の笑みである。

恵は、誇らしげに力を見つめていた。

最近、圭介は遥香を放置していた。

正直逃げて欲しかった。

しかし、遥香は脱走しなかった。

圭介のため?

違う力のためだ。

逃亡者は孝の死刑にしろ!の一言で殺された。

最近、孝は具合が悪い。

どんどん痩せほそっていく。

病院には行かない主義らしい。

しかし、体力の限界が脳に来て倒れた。

孝は、亡くなった妻に会いたいと言い続けていた。

力がコンピューターを駆使してバーチャル体験をさせた。

ゴーグルを装着すると妻が存在していて僕も幼い。

孝は、泣きながら力にありがとうすまなかったと言った。

力と遥香が住んで良いと孝は、言った。

懺悔のつもりだ。

恵は、悲しそうな顔をしたが力には表情が無かった。

高校生になっても相変わらずの力だった。

学校の中心的な存在になって来た。

恵は、必死で勉強をして力と同じ高校に入った。
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