さよなら

文字数 672文字

ね、お昼、中庭で食べない?
うん、今日天気いいもんね! いいよ。行こう行こう!
あちゃー。やっぱ人多いねえ……。やこちゃん、どうする?
……秘密の場所、行く?
ほう! 秘密の場所!? いいじゃんいいじゃん。やこちゃん、そんなとこ知ってるんだ! 行く行く!
(……下心、読まれてるのかな、カミサマに)
へえ、ここが秘密の場所なんだー! 眺め良いね。向こうに見えるの海だよね? やこちゃん、よくこんなとこ見つけたね。
……なんでだと思う?
へ? なんでって……。ゆっくりしたいから? 誰もいないところって落ち着くもんね!
50点。
ん? じゃあなんだろ……っ、あっ。
みおとゆっくりやらしいことしたいから。
えっ、ちょと……やこちゃ……んんっ。
こんな風にみおにキスしたり、もっといやらしいことしたいから。
ダ、ダメだって! ……どうしてそんなこと、今までそんなことしなかったじゃん!
……やったらみおが泣くってわかってるから。でも、嫌われてもいいって思った。一人で胸の中で閉じ込めてたらおかしくなっちゃうって、思ったから。ごめんね、みお。
やこちゃん……。
もうしないから。友達も解消ね。こんなことするのは友達じゃないし。来月のクラス替えで多分私とみおは教室の棟も変わるはず。もう会うことはない。だから、やり逃げなの。ありがとう、みお、ごめんね。さよなら、もう行くね。
やこちゃんっ、待って、やこちゃん! ……どうして行っちゃうの……。
そんなのいきなり言われたってわかんないよ! やこちゃん、順番間違ってる!
ちゃんとレンアイさせてよ……。勝手にキスして、勝手にいなくならないで……。
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