がんばれ、俳句デカ！ ～マダムＱとの対決～
文字数 2,286文字
こんにちは はじめまして ボク八才
学校で 習った俳句は くせになる
え、おかしい？ 季語はないけど 俳句だよ
しょうらいの 夢はりっぱな けいさつかん
交番に 拾った十円 届けたの
おじさんは ほめてくれたよ えらいボク
おじさんと 仲よくなって はなしした
この仕事 失業ないし 楽ちんだ
だからボク けいさつかんを 目指すんだ
夢かない 警視庁の 新人だ
今はまだ 金魚のフンです 先輩の
報告書 毎日毎日 報告書
取り調べ 書記を担当 記録する
被疑者には なめられないぞ 若づくり
カツ丼は 利益給与だ 出しません
五、七、五 クセになったよ 俳句デカ
季語ないし 俳句じゃないと クレームだ
うっせぇよ 俳句じゃないぜ 小説だ
すいません 失言でした 謝罪します
だって僕 これしかできない 俳句デカ
さて、皆さん 僕にはすごい 秘密ある
聞きたいか？ 僕の正体 明かそうか？
実は僕 宇宙刑事だ 驚いた？
宇宙デカ 銀色ボディ いかすだろ？
地球人 狙われているぞ 気をつけろ
すいません くだらぬ嘘を つきました
嘘つきは ドロボーの始まり 気をつけます
新人は 叱られてばかり へこみます
デカ魂 僕の憧れ 身につける
ひったくり あっさり逃がして 怒られた
ひょっとして 向いてないかな 刑事には
「がんばって きっとなれるよ 名刑事」
「君は誰？ とてもかわいい 女の子」
「よろしくね 私の名前は 俳句レディ」
俳句レディ ミステリアスな 女の子
「俳句レディ どこから来たの かわいい子」
「ありがとう 私はあなたの 理解者よ」
「嘘マジで？ 僕の俳句を どう思う？」
「素敵だわ 俳句を愛でる あたたかさ」
「てれるなぁ ほめられたのは 初めてだ」
「俳句デカ とっても素敵よ 俳句デカ これからね はっきり言うわ 告白よ」
「え、ドキドキ 心の準備が できてない」
「俳句デカ しっかり聞いて お願いよ 人気ゼロ あなたリストラ 消えてよね」
「何だって 突然リストラ マジなのか？」
「何回も 言わさないでよ 俳句デカ 季語のない あなたは言わば まがい物」
「あっまさか クレームしたの 君なのか？」
「その通り 今頃わかった？ おめでたい てなわけで 今後の主役は 俳句レディ」
「がっくりだ 皆さんサヨナラ 僕、退場」
こんにちは 私の名前は 俳句レディ
俳句デカ リストラ後の ニュースター
季語がない？ 私の衣装 見えないの
春だもの パステルブルーの ワンピース
やめてよね 妙なイチャモン ムカつくわ
字余りだ？ そんなのあんたに 無関係
ちょっと、マネージャー。アンチは入れないでって、私、言ったよね。チャンと仕事してよね。こんなの、やってらんない。
俳句レディのマネージャー、山下と申します。皆様に対する俳句レディの失礼な言動を、心よりお詫び申し上げます。原因は私どもの教育不足にあります。俳句レディも深く反省しておりますので、どうか、お許しください。誠に申し訳ありませんでした。
＊「俳句レディ・電撃引退」（某スポーツ新聞記事）より抜粋
やぁ、皆さん 帰ってきました 俳句デカ
久し振り 季語はないけど 俳句デカ
誠意ある 日頃の行い ものをいう
精一杯 頑張りますので よろしくね
試練こそ漢 を磨く エッセンス
キリッビシッ精悍 だぜ 俳句デカ
あらかじめ 狙いを定めた 標的は
大物だ その名は怪盗 マダムQ
変装の 名手で知られる マダムQ
子供から 年配者まで 化けるらしい
おっ、あれは 手配書に似た 女性だぞ
「ああ、きみきみ ちょっとそこまで 付き合って」
「あんた誰？ ナンパをする気？ バカじゃない」
さりげなく こういうものだと 手帳出す
「ネックレス よく見せてくれ 念のため」
「失礼ね 横暴警察 市民の敵」
「おかしいな 盗品と似てるぞ ネックレス」
「バカじゃない 横暴警察 令状は？」
「マダムQ 噂の怪盗 君だよな」
「あんたバカ？ 何のことだか わかんない」
「マダムって まさかと思うが 人妻か？」
「ワケありで 今は内縁 ほっとけよ！」（ノリツッコミ）
「やっぱりな 語るに落ちた マダムＱ」
「くそったれ あっさり捕まる わけがない」
「あっ、逃げた」意外と俊足 逃げていく
「ほほほほほ 捕まえてごらん クソ野郎」
「待て待てぇ マダムQめ 逃がさない」
休業中 鍛えた脚で 追いかける マダムQ 見かけによらず アスリート
「マダムＱ 高いネックレス 落としたぞ」
「ほほほほほ 誰が信じるか 嘘つきめ」
振り向いて 足元おろそか 転倒する
スタタタタ 余裕で追いつき 猛タックル
「汚いぞ 卑怯者め 恥を知れ」
「悪あがき 見苦しいぞ」と ねじふせる「ワッパかけ ささっと連行 するからな」
やぁ、皆さん 新人デカは やりました！
怪盗を 独りで検挙 初手柄！
これで僕 一人前かな どうだろう？
当たり前 胸を張るんだ 俳句デカ
先輩も 同期の奴らも 拍手する
見事だと 警視総監も 賞くれた
これからも 任務に励め 俳句デカ
おめでとう マジおめでとう 俳句デカ
新人で 季語もないけど 俳句デカ
蛇足だが 厳密には 川柳デカ？
了
学校で 習った俳句は くせになる
え、おかしい？ 季語はないけど 俳句だよ
しょうらいの 夢はりっぱな けいさつかん
交番に 拾った十円 届けたの
おじさんは ほめてくれたよ えらいボク
おじさんと 仲よくなって はなしした
この仕事 失業ないし 楽ちんだ
だからボク けいさつかんを 目指すんだ
夢かない 警視庁の 新人だ
今はまだ 金魚のフンです 先輩の
報告書 毎日毎日 報告書
取り調べ 書記を担当 記録する
被疑者には なめられないぞ 若づくり
カツ丼は 利益給与だ 出しません
五、七、五 クセになったよ 俳句デカ
季語ないし 俳句じゃないと クレームだ
うっせぇよ 俳句じゃないぜ 小説だ
すいません 失言でした 謝罪します
だって僕 これしかできない 俳句デカ
さて、皆さん 僕にはすごい 秘密ある
聞きたいか？ 僕の正体 明かそうか？
実は僕 宇宙刑事だ 驚いた？
宇宙デカ 銀色ボディ いかすだろ？
地球人 狙われているぞ 気をつけろ
すいません くだらぬ嘘を つきました
嘘つきは ドロボーの始まり 気をつけます
新人は 叱られてばかり へこみます
デカ魂 僕の憧れ 身につける
ひったくり あっさり逃がして 怒られた
ひょっとして 向いてないかな 刑事には
「がんばって きっとなれるよ 名刑事」
「君は誰？ とてもかわいい 女の子」
「よろしくね 私の名前は 俳句レディ」
俳句レディ ミステリアスな 女の子
「俳句レディ どこから来たの かわいい子」
「ありがとう 私はあなたの 理解者よ」
「嘘マジで？ 僕の俳句を どう思う？」
「素敵だわ 俳句を愛でる あたたかさ」
「てれるなぁ ほめられたのは 初めてだ」
「俳句デカ とっても素敵よ 俳句デカ これからね はっきり言うわ 告白よ」
「え、ドキドキ 心の準備が できてない」
「俳句デカ しっかり聞いて お願いよ 人気ゼロ あなたリストラ 消えてよね」
「何だって 突然リストラ マジなのか？」
「何回も 言わさないでよ 俳句デカ 季語のない あなたは言わば まがい物」
「あっまさか クレームしたの 君なのか？」
「その通り 今頃わかった？ おめでたい てなわけで 今後の主役は 俳句レディ」
「がっくりだ 皆さんサヨナラ 僕、退場」
こんにちは 私の名前は 俳句レディ
俳句デカ リストラ後の ニュースター
季語がない？ 私の衣装 見えないの
春だもの パステルブルーの ワンピース
やめてよね 妙なイチャモン ムカつくわ
字余りだ？ そんなのあんたに 無関係
ちょっと、マネージャー。アンチは入れないでって、私、言ったよね。チャンと仕事してよね。こんなの、やってらんない。
俳句レディのマネージャー、山下と申します。皆様に対する俳句レディの失礼な言動を、心よりお詫び申し上げます。原因は私どもの教育不足にあります。俳句レディも深く反省しておりますので、どうか、お許しください。誠に申し訳ありませんでした。
＊「俳句レディ・電撃引退」（某スポーツ新聞記事）より抜粋
やぁ、皆さん 帰ってきました 俳句デカ
久し振り 季語はないけど 俳句デカ
誠意ある 日頃の行い ものをいう
精一杯 頑張りますので よろしくね
試練こそ
キリッビシッ
あらかじめ 狙いを定めた 標的は
大物だ その名は怪盗 マダムQ
変装の 名手で知られる マダムQ
子供から 年配者まで 化けるらしい
おっ、あれは 手配書に似た 女性だぞ
「ああ、きみきみ ちょっとそこまで 付き合って」
「あんた誰？ ナンパをする気？ バカじゃない」
さりげなく こういうものだと 手帳出す
「ネックレス よく見せてくれ 念のため」
「失礼ね 横暴警察 市民の敵」
「おかしいな 盗品と似てるぞ ネックレス」
「バカじゃない 横暴警察 令状は？」
「マダムQ 噂の怪盗 君だよな」
「あんたバカ？ 何のことだか わかんない」
「マダムって まさかと思うが 人妻か？」
「ワケありで 今は内縁 ほっとけよ！」（ノリツッコミ）
「やっぱりな 語るに落ちた マダムＱ」
「くそったれ あっさり捕まる わけがない」
「あっ、逃げた」意外と俊足 逃げていく
「ほほほほほ 捕まえてごらん クソ野郎」
「待て待てぇ マダムQめ 逃がさない」
休業中 鍛えた脚で 追いかける マダムQ 見かけによらず アスリート
「マダムＱ 高いネックレス 落としたぞ」
「ほほほほほ 誰が信じるか 嘘つきめ」
振り向いて 足元おろそか 転倒する
スタタタタ 余裕で追いつき 猛タックル
「汚いぞ 卑怯者め 恥を知れ」
「悪あがき 見苦しいぞ」と ねじふせる「ワッパかけ ささっと連行 するからな」
やぁ、皆さん 新人デカは やりました！
怪盗を 独りで検挙 初手柄！
これで僕 一人前かな どうだろう？
当たり前 胸を張るんだ 俳句デカ
先輩も 同期の奴らも 拍手する
見事だと 警視総監も 賞くれた
これからも 任務に励め 俳句デカ
おめでとう マジおめでとう 俳句デカ
新人で 季語もないけど 俳句デカ
蛇足だが 厳密には 川柳デカ？
了
