賢い男と悪魔
文字数 802文字
昔あるところに、男がいた。
男がある日、罠にかかって苦しんでいた山羊を助けると、山羊は男の目の前で悪魔に姿を変えた。
悪魔は男に感謝し、
と言った。
男は考えた。狡猾な悪魔のことだ、願いを叶えたと見せかけて、結局は俺を不幸にしてやろうと企んでいるに違いない。
騙されるものか。
男はよくよく考えた末、慎重に言葉を選びながら、こう言った。
悪魔は笑った。
悪魔が呪文を唱えると、男は眠るように倒れ込んだ。
***
再び意識を取り戻した男は、一羽の大きなオウムになっていた。
泉に映った自分の姿を見て、男は激昂した。
悪魔は首を横に振った。
男はあんぐりと口を開けて、悪魔の言葉を聞いた。
男はそれを聞いて、がっくりと肩を落とした。
高笑いを残して、悪魔は消えていった。