(三)-4

文字数 258文字

 デニスは足の向きを小刻みに少しずつ斜めにずらしていって、体の向きを回転させていった。僕に背中を向けたところで止まった。その背中には、四角い筋が描かれていた。いや、溝が掘られていた。これが入れ墨というものか。
「入れ墨をいれているの?」
「そんなもの、していないわ」
 四角い筋のところがパカッと音を立てて開いた。扉になっていた。中にはデジタルモニターがあり、文字が書いてあった。
「私、アンドロイドなの」
「デニスさんはアンドロイド!」
「このことは内緒よ」
「内緒? 秘密って事? 誰にも言ってはダメ?」
「そう、内緒」


(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み