文字数 402文字

 私は甘えているのだろうか。自分に甘いのだろうか。きっと、そうなのだろう。芯からの辛さや苦しみを、知らないからだろうか。知らないのだろう。分かっている。自分でも、恥ずかしいほど分かっているから、責めてくれるな。
 平和な国で、平穏に暮らし、仕事もあり、貧乏もせず、好きな物を買い、美味しい物も食べられ、五体満足で不自由なく暮らしている。なのに何故、死んでしまいたいと思うのだ。生きていることに、喜びを持てないのだ。そして、所詮そう思いながらも、それが「死のう」に変わることは、恐らくこの先も無いだろう。そんな自分が甚だ嫌だ。
 幸福なら幸福だと感じてくれ。死にたいなら死んでしまってくれ。なのに、私の心は、そのどちらも受け入れてはくれないのだ。
 そんな自らの心を扱いかねて、持て余しながら、それでも折り合いを付けようと試行錯誤しながら、きっと私はこれからの人生も、漠然とした罪悪感と共に、生きていくのだろう。
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