第5話 買い物

文字数 2,112文字

「後ろに座って下さい。」
と人と鳥専門案内係が言うと、ハネは車へ飛び、また小さな鳥の姿へとなった。カカは見事、着地成功した。ハネはカカの隣にいる。
「まず、宝探しのためのショッピングします。この箱の雲から出て、数メートル先にショッピングエリアがあるので、そこに今から行きます。」
とアフリカン・ピグミーエンゼルフィッシュが言うと、車のハンドルが回転し、車が動き始めた。
「何を買うの?」
とカカは聞いた。
「買う物より、おまけのカードの方が宝探しに必要なんです。」
と前を見てアフリカン・ピグミーエンゼルフィッシュは言った。ハネはカカと楽しんで人と鳥専門の話を聞いていた。カカは質問を続けた。
「どんなカード?」
「来るお客さんによって違うみたいです。だからまだ分かりません。」
「どんなの売ってるの?」
「それもお客さんによって売り物が違うんです。」
「あの出店がショッピングエリアだね。」
 夜店で物を買う様であった。青色の点々と白の体のリーフ・スティングレイがショッピングエリアの店にいた。エイの魚の種類だと形ですぐに分かる。雲と空の色が逆になった感じのエイである。店の台から見える位置にリーフ・スティングレイはいた。看板の幕には“宝探し”といかにも宝探しのための雲買い物エリアと分かる様になっていた。
「らっしゃい。」
とリーフ・スティングレイは明るく言った。
「これから宝探しに行くので売って。」
とアフリカン・ピグミーエンゼルフィッシュは頼んだ。
「あなた、人のあなたはクツと交換に新しいクツを売ります。」
とリーフ・スティングレイは言ったので、惜しまずカカは、黒色の紐つきスポーツシューズを売り魚に渡した。
「ありがとう。このクツすぐ気に入るといいな。」
と新しいクツをエイの体で移動させ上手にカカの手に渡らせ、カカはクロスした白紐のある青のシューズを履いた。
「ハネさんには、これをどうぞ。」
と斜め掛けバッグのハネの羽の大きさのビニルのオレンジ色をハネの体に掛けた。カカは、もうおまけのカードをハネにあげるのかと思ったので、意外だった。
「宝へ架かるバッグです。」
 カカは売り魚の言葉に心を弾ませた。
「これに懸ける。」
とハネはリーフ・スティングレイの言葉に返答した。
「代金はハネさんの過去の話でいいです。」
とリーフ・スティングレイは言った。
「鳥専門係が勝手に話したんです。」
と人と鳥専門係が発言した。カカはおまけを心待ちしていた。
「行ってらっしゃい。カードはバッグに入ってます。」
とリーフ・スティングレイが言うのを聞いたカカは、あの時点でおまけカードをハネに渡していたのだと気付いた。
「出ます。」
とアフリカン・ピグミーエンゼルフィッシュが言うと、カカはリーフ・スティングレイに言った。
「こんな雲クツ嬉しい。ありがとう。」
 リーフ・スティングレイは黒目を細めてカカに笑いかけた。
「もう1つおまけです。」
とリーフ・スティングレイが言うと、雲車の目の前に緑色のふわふわ雲の道が出てきた。海藻が道路の両端2列並んでいる。薄いグラデーションした緑色のカウレルパであった。緑色の葉羽でいっぱいだった。葉羽のついた茎は、ずっーと伸びていた。魚ではなく鳥がカウレルパの中に入っているのではないかと思わせる。
「物ではなく公共なので、気にしないで。」
とリーフ・スティングレイは言った。
「すごーい。」
とカカは言うと、人と鳥専門が言った。
「彼の魔法です。」
「このクツやバッグも魔法?」
とカカは聞いた。
「またお会いする時に話します。」
と雲の様な魚は、別れを告げた。雲車は普通の車の速度で空を走っていた。緑のリーフの道を通っていた。
「宝への道は、みんな違うんです。」
とアフリカン・ピグミーエンゼルフィッシュは説明し始めた。
「カカさんとハネさんがいたから、この道があるんです。あのショッピングエリアの方は、その個々に合わせての魔法を頑張ってるらしいです。」
「すぐ?宝まで。」
とカカは聞くと、人と鳥専門は間を置いて言った。
「はい。」
 カカは目をぱちぱちさせた。
 景色が先の方に見えている。もうすぐだ。似ていた。タイムカプセルを埋めた場に。上空に土が浮かんでいるのかとカカは思った。木があった。緑の雲の道より濃い雲が木の緑にあった。その木がガラスを見つけた木に似ていた。その木に飛んで行った金色透明ガラスがあった。カカは雲車が景色の土地へ停まると、すぐ降りた。ハネはカカの近くにいた。アフリカン・ピグミーエンゼルフィッシュも飛んで近くにいた。
「やっぱりこれが財宝だったんだ。」
とカカはガラスを手に取って言った。アフリカン・ピグミーエンゼルフィッシュはガラスを見て、言った。
「あっ。このガラス、パトロール係無視してどこか行ったガラスだ。」
 ハネはカカの顔色を見てウォッと声を鳴らした。カカは思わず口にした。
「ミナカツナカキ…。」
 ガラスはカカの手から離れて、カカの目の前に浮かんでただずんでいた。カカは、ガラスがどこか飛んで行ったら、取って捕まえようとしていた。
「大丈夫。このガラス、人と鳥専門係の近くにいる内は、遠くに行きません。」
とアフリカン・ピグミーエンゼルフィッシュはカカに言った。


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