プロット

文字数 1,103文字

-起-
とある森にリオという少女が一人で暮らしていた。森で静かに暮らすリオ。ところがある日、リオの家に一人の男が訪れる。
田舎貴族のアーサーと名乗るその男は、森を散策中に迷い込んでしまったのだという。
リオは冷たくあしらいアーサーを追い返すが、翌日もまたやってくる。口の上手いアーサーに言いくるめられて部屋に上げさせられてしまった。
最初のうちはうんざりしていたリオだったが、アーサーの博識振りや会話の面白さに少し心を動かされる。
また遊びに来てもいいかと問われると、いい、とつい頷いてしまった。

-承-
リオを気に入ったらしいアーサーは数日おきにリオの家を訪れ、リオは徐々にアーサーに惹かれていく。
アーサーはリオに「君のことが好きになったみたいだ」と告げるが、驚いたリオは返事を先延ばしにしてしまう。
翌日、リオの家を訪れたアーサーはリオが黒い髪を茶色に染めている場面を目撃する。
アーサーはリオに「お前は、魅了の魔女クリサンセマムなのか」と問う。
クリサンセマムというのはこの地方に伝わる黒髪の魔女の名で、人々の心を魅了して争いを呼び寄せるという昔話が伝わっている。
リオが答えないでいると、アーサーはリオに「自分に魅了の魔法をかけたのか」と尋ねる。
リオは否定するが、アーサーはその言葉を信じ切ることが出来ない。
アーサーはリオの家、そして森から魔法で追い出されてしまう。

-転-
呆然として街に帰ったアーサーは、父親からどこに行っていたのかと問いただされる。
ごまかすアーサーだったが父親は使用人からの報告でアーサーが頻繁に森へ行っていることを知っていた。
父親はアーサーが魅了の魔女にたぶらかされたのだと街の人間たちを引き連れ魔女狩りを決行する。
逃げるリオだったが、街の人間たちに捕らえられてしまう。

-結-
街ではリオの処刑の準備が進められていた。
アーサーはこっそりとリオに会いに行き、なぜ街の人間を魅了して逃げなかったのだと責め立てる。
リオは、自分に魅了の魔法は使えない、とそこで始めて告げた。
クリサンセマムというのは捨て子だった自分を拾ってくれた女性で、既に亡くなっている。名と少しの魔力を継いだだけで、リオに魅了の魔法は使えないのだった。
処刑の準備が整い、リオは火刑台に立たされる。火にかけられる直前、アーサーはリオを見捨てる事が出来ず火の中に飛び込んでいく。
リオがとっさに使った魔法は、火を花に変える魔法だった。
花吹雪の中、アーサーがリオの手を取って逃げる。
すっかり街から離れた二人。リオがなぜ自分を助けたのか聞くとアーサーは「俺がお前を愛しているからだ。魔法が使えなくても、俺の心はとっくにお前に魅了されていた」と答えた。

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