#1_私そっくりな赤ちゃん

文字数 593文字

 ある少女が外人の男に誘拐される事件が発生した。
 警察が出動し、少女は山奥の小屋で発見されたが、犯人である外人の男は現在逃走中。

 それから1ヶ月が経過したある日……

「ねえパパ、ママ。勿論パパとママは日本人だよね」

 少女の疑問、そうだよと伝える両親。

「やっぱりそうだよね。だって日本人の顔だし、髪とお目目は黒いし」

 少女は両親が日本人であることを再確認した。

「パパ、ママ。私が誘拐された時、その犯人の外人に変なこと言われたの」

 母に汗がにじみ、父は気まずそうな顔とややイライラしているような表情をした。

「大きな鏡の前で、外人と私を交互に見てみると、私の金髪の髪と青いお目目はその外人にそっくりで、だけど私の顔はママに似ていてさ。私の事、愛してるなんて言って」

 両親は和室の中へと入っていき、どうやら口論をしているようであった。

 それからさらに1ヶ月が経ったある日、父が殺され、母と娘は共に失踪した。

 それから4年後、人の少ない限界集落のある場所で、失踪したその娘に似た少女と、その母親に似た女性、さらには外国籍の男に加え、金髪で青い目をした赤ちゃんが母に抱かれて4人で幸せそうに暮らしているという情報が親戚の元に入った。

 さらには手紙が親戚の元に送られ、失踪した少女からのものであり……

「やったよ。お母さんが私に似た赤ちゃんを産んでくれたの。新しいパパの金髪の髪と、青い目をしていて……」






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