第1話・手紙

文字数 414文字

 (わたくし)は、北方地域において発見された異教時代の書筒の調査に派遣されました、北方神殿区のカヤムと申します。書筒の開封、並びに解読に当たりました。
 異教時代の文書につきましては、北方異教徒大討伐により、全て焼き捨てられたものとされておりました。この書筒は、城砦の異教時代の建物があったとされる土台の隙間より発見されたものであり、意図的に隠されたものと思われます。
 異教時代のものとは言え、北方地域はかつて大帝国時代に言語、文字ともに文明化されておりますので、解読にはさほど難はございませんでした。何かの書物より破り取ったものと思われ、走り書きは、神歴千四十三年のオシロアスの海戦とギルダ荒地の戦いの前であると察せられます。本文は神歴八百年辺りの出来事でございましょう。
 我々の長年の疑問でありました、北海人は何処より現れたのか、なぜ我々と同じ言語を話すのか、に答えるものであると存じますので、どうか、御査収の程よろしくお願い致します。
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