第1話

文字数 623文字

「ねえ、きもだめしにいってみない?」
言ったのは菜々美だ。
菜々美と千里とみなみは、怖い物好きの大親友だった。
「うん、いいよ。」
「どこにする?」
三人は、さっそく計画をたて始めた。

その日の夜遅く、三人は、学校裏の墓地に集まっていた。
もちろん、懐中電灯以外、手ぶらだ。
懐中電灯で辺りを照らす。そして墓地を一周したが、なにもない。
「そりゃあそうかー」
三人は、残念そうに、墓地を出た。
「ん?」
ふいに、後ろから誰かが追いかけてきていることに気付いた。
「ぎゃああああああああああ!」
それは、首から上のない、幽霊だった。
「早く、逃げよう!」
三人は、一緒に走った。
「あぁぁ……」
千里が転んだ。後ろに、幽霊が迫る。
「千里!」
二人は叫んだが、助けていくことはできない。幽霊は、千里の頭をつかんだ。
「イイナ、イイナ、チサトチャンノアタマ、イイナ」
「きゃあああああああああああああ!」
千里は叫んだ。幽霊は、千里の頭をつかみ、首だけ取る。
そして、千里の首から上を食べてしまった。 千里は、幽霊の仲間入り。二人は仲のいい友達だったということも分からなくなったのか、菜々美とみなみにおそいかかった。
二人は全速力で逃げたが、千里は学年で一番足が速かった。だから逃げることもできず、あっという間につかまってしまった。
千里はにっと笑った。
「ナナミチャン、ミナミチャン、つかまえたあ」
辺りに血しぶきが飛んだ。
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