さち子 弐
文字数 728文字
それから一週間後――
零様、大丈夫でしょうか。
ご飯以外は部屋から一歩も出ずに…恐らくさち子の修理をしているのでしょうが、流石に一週間寝ていないとなると…
その時、研究室のドアが開いた。
はぁ‥‥やっと終わった…
ん？何だ綾か。どうした？
零様！大丈夫ですか？
ああ、別に無事だが…
さち子の事か？さっき修…ゴホンゴホン、バージョンアップが終わったぞ。
待ってろ。今起動する
そう言って、零はパソコンのマウスをクリックする。
しばらくして、ヴーンという、何かの機械が起動する音がした。
バージョンアップ完了。システムの不具合無し。
おはようございます。
よし、成功だ。
さち子、飯作ってくれ。腹が減って死にそうだ
了解しました。キビヤックを作りますね。
ん…？キビヤックって確か…
かなりグロい料理ですね。零様、一体バージョンアップとは何をしたのですか？
基本機能を少し直して、動きを滑らかにして…あと料理のレパートリーを少し…全世界の料理をランダムで作れるようにした。必死にググったぞ、大変だったな
何を入れたか覚えていないのですか？
ググって一気にバーッとやったから覚えていないな…。
ちょっと珍しいものがあると思って入れたが…あれがキビヤックか
台所の方から突然、物凄い腐臭がした。
うっ…臭い…
あれ、でもキビヤックは、長時間発酵させなければならない筈です。なぜこんなにも早く腐臭が？
ああ、そうだ！バージョンアップの時に、物の時を進める機能を入れたんだ！
勿論生物以外のな
この機能は、早く料理ができるので助かります。ありがとうございます、零様。
こ、この場合…全然ありがたくないんだが…うっ‥‥
綾、助けてくれ…
自業自得ですね。
零様、料理ができました。お食べ下さい。
おのれ綾ぁぁああああああ！！うぇっ‥‥
