第1話
文字数 605文字
「誤食」
おじさん属の僕でもわりかしパスタとかが好きだ。休日ともなると、起きてすぐ無性に「ペペロンチーノが食べたい」とかよくなる。そんな時は声を発するより前に台所に立ち鍋に湯を沸かす。湯が沸くと同時に袋から片手いっぱいの塩をグヮシッと掴み力士の土俵入りの如く「おじさんの山〜!お〜じ〜さんの〜や〜ま〜」等と元気にアナウンスしながら鍋にばら撒く。(このときの四股名は気分により異なる) 本日、声を出すのはコレが初めてとなるが実に爽快である。爽快になったが最後、チャッチャッっと調理をこなし、あっという間にペペロンチーノの出来上がりって寸法だ。そして本日二言目の「頂きます」とほぼ同時にパスタを食す。自慢じゃ無いがパスタだけはそこいらの店で食べるより「おじさんの山」が作ったパスタの方が旨い。(と、思っている)脳内幸福指数が九十九パーセントとなったところで残りの一パーセントのちょっと物足りない指数を埋めるべく、たまたま目に入った十勝スマートチーズを頬張り、とりあえずは腹八分。が、チーズの欠片がほろほろっとテーブルに落ちている。そんなにがっついて食べた覚えは無いはず、と思いつつも、仕方なしに指で押しつけ口に運んだそれは、昨夜、子らが遊んでいた『ねんど』だ。そうと知った時にはもう胃まで到達する頃だったろうか? おじさんの山、見事なまでの完敗である。
暈 ともり
おじさん属の僕でもわりかしパスタとかが好きだ。休日ともなると、起きてすぐ無性に「ペペロンチーノが食べたい」とかよくなる。そんな時は声を発するより前に台所に立ち鍋に湯を沸かす。湯が沸くと同時に袋から片手いっぱいの塩をグヮシッと掴み力士の土俵入りの如く「おじさんの山〜!お〜じ〜さんの〜や〜ま〜」等と元気にアナウンスしながら鍋にばら撒く。(このときの四股名は気分により異なる) 本日、声を出すのはコレが初めてとなるが実に爽快である。爽快になったが最後、チャッチャッっと調理をこなし、あっという間にペペロンチーノの出来上がりって寸法だ。そして本日二言目の「頂きます」とほぼ同時にパスタを食す。自慢じゃ無いがパスタだけはそこいらの店で食べるより「おじさんの山」が作ったパスタの方が旨い。(と、思っている)脳内幸福指数が九十九パーセントとなったところで残りの一パーセントのちょっと物足りない指数を埋めるべく、たまたま目に入った十勝スマートチーズを頬張り、とりあえずは腹八分。が、チーズの欠片がほろほろっとテーブルに落ちている。そんなにがっついて食べた覚えは無いはず、と思いつつも、仕方なしに指で押しつけ口に運んだそれは、昨夜、子らが遊んでいた『ねんど』だ。そうと知った時にはもう胃まで到達する頃だったろうか? おじさんの山、見事なまでの完敗である。
暈 ともり