プロット

文字数 842文字

起)都会で生まれ育った中学1年生の寺島陽太(てらしま ようた)はお盆に両親と一緒に母の実家に行くことになった。母は「3年ぶりなんだし、おじいちゃんの初盆なんだから。挨拶に行くのよ。」と言うが、テニス部の練習もあるし、友達と映画を見に行く約束をしていた陽太は不満たらたら。ゲームもなく、スマホも圏外になってしまうほどのド田舎にウンザリしていた。

承)次の日、迎え盆で祖母や両親、他の親戚と一緒に祖父の墓参りに行った。家に着くと、セーラー服を着た美少女とその母親がいた。陽太のいとこの百瀬花奈(ももせ かな)だった。4つ年上の彼女は陽太にとって初恋の人だった。一緒に田舎での時間を過ごすふたり。しかし、全寮制の学校に通っているという花奈の話す話題は3年くらい前のものだった。
ある日、ふたりで田舎道を歩いているとき、街を一望できる小高い山の公園で休憩を取った。陽太は、ふと足元に一輪の小さな花が咲いているのを見つける。花奈は、その花が好きと話す。

転)明日、送り盆という日の夜。親戚のおじさんから明日の花火大会の準備を手伝うようにいわれる。そして、陽太は「明日の夜、花火を見に行こう。」と花奈を誘う。
次の日の朝早く、陽太はおじさんに連れられて花火大会の準備に行く。準備を終えて疲れて帰ってきた陽太は、花奈に「花火大会の時間になったら起こして。」と頼んで、昼寝する。

結)数時間後、送り盆で墓参りから帰ってきた母たちの声で目が覚める陽太。しかし、どこを探しても花奈の姿がない。実は、もともと体が弱かった花奈は、3年前の花火大会の日に発作が起きて亡くなっていた。陽太の母の姉である花奈の母がシングルマザーだったため、母親の姓を名乗り、花奈は祖父と同じ墓に眠っていたのだった。陽太は、3年前も同じように花奈と花火を見る約束をしながらも眠ってしまったことを思い出す。公園に向かうと花火が上がっていた。そして、足元に咲く花を取ると花奈の眠る墓に向かい、手を合わせた。「大好きだったよ。また、来年来るね。」


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