プロット

文字数 1,446文字

ロージーと三人の魔女

【起】
森の奥の廃墟のような屋敷で、ベラドンナ、ダチュラ、グロリオサという名前の三人の魔女が暮らしていた。ある日屋敷の前に人間の赤ちゃんが置き去りにされていた。人間の肉は魔女にとって栄養価が高く、そのまま三人で分けて食べようとしたが、折角なら18歳まで育てよい頃合いになったら食べようと一人が言い出し、残る二人も納得した。
子どもを健康的な18歳まで育てるには、やはり金が必要になるという結論になり、三人の魔女は養育費のために人間界で職に就くことにした。魔女として300年生きてきた経験と知恵があるので彼女たちはすぐ軌道に乗った。ベラドンナは製薬会社の社長、ダチュラは料理研究家、グロリオサはベストセラー作家になった。そして拾われた子はロージーという名前をつけられ、すくすくと育った。

【承】
月日が過ぎロージーはもうすぐて18歳になろうとしていた。魔女から見て彼女はすこし痩せすぎだったが、優しくて美しい女の子に育った。ロージーは三人の魔女のことを捨て子だった自分を拾ってくれた善良な老女たちと信じていた。
彼女は豪邸に住み、欲しい物は全て老女たちが買ってくれるというなに不自由ない生活をしていた。しかし、過保護な老女たちが外出を制限していたので不満を抱いていた。18歳が彼女の国の成人する年なので成人になればもっと自由に外出できると思っていた。
老女たちには隠していたが、実は彼女も魔法を使えた。しかし、三人の善良な老女が魔女だとは思いもしていないので、自分が魔法を使えると知れば怖がると思い魔法を使えることを秘密にしていた。

【転】
魔女のうちの一人作家のグロリオサが文学賞を受賞し、高級ホテルの記念パーティーに魔女とロージーは招待される。しかし4人はビル火災に巻き込まれてしまう。ここまで必死に育ててきたロージーを死なせてたまるものかと、魔女たちはロージーの前ではじめて魔法を使い彼女を守ろうとする。しかし、三人の魔女は長い期間魔法の力を使っていなかったため力が弱くなってしまい窮地に追い込まれる。ロージーは水の魔法を使い火を消し、三人の魔女を助ける
。そしてロージーは実は自分も魔力を使えることを打ち明ける。人間だと思っていた少女がもしかしたら魔女だと知りショックを受ける魔女たち。

【結】
ロージーと三人の魔女が一旦帰宅すると、音信不通だったロージーの母親がロージーを迎えに来る。その日はロージーの18歳の誕生日だった。実はロージーの母は魔女で、父は人間だった。魔女の世界にとって、人間と夫婦になることは禁忌であり、母親は生まれてすぐに子を大魔女に奪われそうになったため、三人の魔女に託したことを明かした。ロージーの母は魔女が人間の子をすぐに食べることはないと知っていたのだ。
三人の魔女は『食べるためにあんたを育てただけで、魔女と人間のハーフなんて食べられたものではないから勝手においき』とあえてロージーを冷たく突き放す。ロージーが本当の母親といたほうが幸せになるだろうと考えたからだ。ロージーは迷ったが母の元に戻る。魔女たちは魔女らしい生活に戻ろうとするが、人間の暮らしをしすぎて戻れなくなってしまう。我が子のように彼女を育てるうちに愛着が沸いてしまい、本当は食べるつもりなどなかったのだ。別れから数週間後、魔女たちが暮らす家のチャイムが鳴った。扉を開けるとロージーの姿があった。またみんなと暮らしたいと魔女たちに泣きつく。そうして、またロージーは三人の魔女と一緒に暮らし始める。
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