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文字数 7,824文字

4月からまた図書委員かな。と思った。
桜が散り、4月も1週間が経とうとしていた。新しいクラスになったとはいえ前と同じクラスだった奴同士もいるので、教室はざわざわとしていた。僕の隣に座る村上翔真は髪の毛をいじりながら「お前は何にすんの?やっぱ図書委員?」と尋ねてきた。
村上はサッカー部でスポーツ万能、成績も良い。さらにはその容姿から女子生徒からの人気も高い、いわゆる完璧イケメン野郎なのだ。彼とは1年から同じクラスでこれまた同じく隣の席だったことから知り合っただけだが、彼は彼と真反対のような存在の僕にいつまでも親しく接してくれる。分け隔てなく誰とでも接しているのだろう。そのうえ性格がいいときたわけだ。
「そうだね。図書委員がいいかな。」それに対して僕山崎一郎は運動は嫌い、成績はそこそこ、休み時間は図書室で本を読むことが日課になっているような目立たない存在だ。
「図書委員がいい人ー」クラスの委員長が聞き取りやすい声でクラスに問いかけた。静かに手を挙げる。顔が赤くなる。「えっと、」委員長がクラスの名簿を見る。
「山崎です。」ボソボソと喋る僕の声はうまく届かなかった。
「山崎くんかな?」委員長が言った。

図書委員は2ヶ月に1度委員会の集まりがある。他の委員会は集まりがない。あっても年2回程度だという。委員会の集まりといっても司書の方の話を聞くだけなのに、まったくどうにかならないものか。
早速4月に集まりがあった。委員会内での顔合わせのようなものですぐに終わるものだろう。図書室に入ると左側に貸出 返却用のカウンター、奥には8人掛けのテーブルが4台、さらに奥には本棚がある。1番手前のテーブルの端の席に昨年と同じく図書委員の青野がいた。
「お、また図書委員なのか」「うん。」隣に座りそんな感じの会話をした。図書室の椅子はふかふかで始めは、そわそわしたが今はこの椅子が快適な読書空間を提供してくれる。図書委員が全員集まったところで司書の吉澤さんが自己紹介と図書委員の活動について説明を始めた。読んでいた小説を閉じて吉澤さんの方を向いた。その時だった。彼女のことを目にしたのは。自分の座っている椅子の向かい側に彼女は座っていた。見惚《みと》れてしまうとはこのことなのだろう。ふんわりとしたそのショートカットはまるでヴィヴァルディの『春』のよう。その横顔はまるでグリーグの『朝』のようだ。
突然となりの青野が立ち上がり自己紹介を始めた。どうやら端の席から自己紹介をするということらしい。青野の自己紹介が終わったので次は僕の番だ。
「2年B組の山崎一郎です。よろしくお願いします。」顔が赤くなる。のが分かる。彼女に見られているかもと思い恥ずかしくなった。さらに赤くなる。
順番に簡単な自己紹介が終わり。彼女の番になった。
「1年B組の鐘村夏美です。よろしくお願いします。」ハキハキとそう言ってお辞儀をした。スッと座り、口元にいった髪の毛を整えた。彼女と目が合った。小さな声で「よろしくお願いします。」と彼女は言った。その笑顔はモーツァルトの『アイネクライネ・ナハトムジーク』のような気品さがあった。
その日の委員会の集まりはそれで終わりとなった。これからは週に1度、各学年から1人づつ返却された本の整理を手伝う。これは昨年と同じだ。
委員会の集まりは2ヶ月に1度だけだ。まったくどうにかならないものか。

家に帰ってから夕飯を食べている時、寝る前の読書中、その後のベットの中でもなぜか鐘村夏美の笑顔が浮かんでは消え、浮かんでは消えた。

意外にも彼女とはすぐに顔を合わせることとなった。週に1度の本の整理で偶然同じ日になった。というわけではない。4月になったのにまだ肌寒い日が続く日の夕方。放課後に図書室で読書してから帰ろうと思い図書室に向かった。がその日は金曜日で放課後は図書室が開いていない日だった。仕方ない帰ろうと思い振り返るとちょうど彼女も図書室にやってきたのだった。
「あれ?今日は図書室空いてないんですか?あ!今日金曜日でしたっけ!」おどろいた様子の彼女は大きな口ポカンと開けた後。クスクスと上品に笑った。
「先輩も間違えて読書しに来たんですか?」
「あ、あぁ そうだよ。今日は金曜だったね。」ボソボソと喋る声はギリギリ彼女に届いたようだ。なんだか気まずいような空気で、何を話したら良いかなどと頭をフル回転させていたところに、「夏美ー帰ろー」という声が廊下の方から聞こえた。
鐘村夏美は声の方に振り返り、少し離れたところに立つ女子生徒に手を挙げて返事をした。彼女の友人だろうか。それから僕の方を向き、「それでは先輩」と頭を下げた。ごきげんよう。とでも言う雰囲気だった。
「あ、うん。」
もう少し、明るく言うべきだったかと少し考えたが、もう彼女の背中は彼女の友人と一緒にだんだん遠くなっていた。

また、家に帰ってから鐘村夏美の顔が浮かんでは消え続けた。なぜだろう鐘村夏美とした会話を思い出し、頭の中ではどんどんと会話が弾んでいた。しかし、頭の中のBGMはベートーヴェンの『エリーゼのために』が流れているのだった。

席替えをした後も村上とは隣の席だった。「ゴールデンウィーク、どっか出かけた?」休み明けの村上は髪が短くサッパリとしていた。「いや、特にどこも出かけてないよ」言ったところは駅前の本屋と3つ隣の駅の近くにある大きな本屋くらいだった。
「まじ?10連休もあったのに?」
「村上はどこか出かけたの?」
「ん?俺はねぇ」村上は部活が忙しかったこと。兄弟と出かけたこと。映画を見に言ったことなどを話していた。なぜだか鐘村夏美のことを話そうかと考えたが特に話すような内容がないことに気づいてやめた。
放課後になって図書室に向かった。あの日以来彼女を見かけない。図書室に入って青野を見かけた。1番奥のテーブルには彼女がいた。窓側を向いていて背中しか分からなかったが、その隣には彼女の友達が座り2人で読書をしていた。青野と少し喋り、1時間ほど読書して帰った。その間に彼女たちは帰り、横を通る時に目が合い静かに会釈した。電車に乗り改札を出てる頃には18時半を過ぎていた。帰ってきてもまだ明るいと少し得した気分だな、などと考えながら歩き始めた。

それから数週間が経ち6月になった。今日は図書委員の集まりがある。朝の登校はエルガーの『威風堂々』が頭の中で流れた。委員会の集まりがあるのは放課後で昼休み購買で会った青野は「めんどくさいな」と言っていた。僕もそれに合わせたが実際は面倒だとは感じていなかった。
放課後早めに図書室に行って読書をしていた。すると、彼女が図書室に入ってきた。彼女の友達も一緒だ。友達も図書委員だったのだ。僕に気づくと「こんにちは」と声をかけてきた。「こんにちは」いつかの挨拶よりは明るく返事ができた。彼女たちは僕の座るテーブルとは1つ隣のテーブルに座った。そこで彼女たちは最近流行っている漫画の話を始めた。彼女たちの話す声は静かで全く気にならないはずなのだがなぜか読書に集中できなかった。
委員会の集まりは吉澤さんの話を聞くだけのものなのだが、隣に座る青野と配られたプリントの裏に作家の名前縛りしりとりを書いていたので退屈しなかった。青野とは利用している線路が違うので校門を出てすぐ僕は左、青野は右に別れた。
駅に向かう途中後ろから声をかけられた。
「よっ!今日も図書室行ってたのか?」もちろん鐘村夏美ではない。村上だ。
「委員会の集まりがあってね。村上はもう部活が終わったの?」テニス部は顧問の先生が休みで練習が早めに終わったらしい。
「いつも何読んでんの?」村上は僕の苦手な質問を悪意なくした。
「うーん。ミステリとか?」いつも通りの答え。それから「村上は本とか読まない?漫画とか。」といつも通りの返しで会話を続けた。漫画か。
「あー、漫画なら読むよ。」

家に帰ってから自分の本棚を見た。今まで読んだ本が作家の五十音順に並べてある。1番好きな作家を聞かれて困るようになったのはいつからだっただろうか。
鐘村夏美は普段何を読むのだろう。漫画しか読まないのだろうか。図書室で読んでいたのはなんだったのだろう。勝手に小説を読んでいると思っていたが、どうだったのだろう。もしも、彼女が読んでいるのが、そう思うとなぜだか心が弾んだ。しかし、もしも、彼女が読んでいるのが、そう思うとなぜだか心が軋んだ。それと同時にそんな自分に静かに裏切りを感じた。

それから放課後に図書室で彼女を見かけることはあったが、いつも窓側を向いて本を読んでいて僕は1時間ほどで帰宅するので彼女と挨拶を交わすこともなかった。
それから夏休み明けまでは委員会の集まりはなく、夏休み明けの9月委員会の集まりがあった。
彼女の肌は、空に浮かぶ雲よりも白く吸い込まれるように感じた。
「こんにちは」と言ってお辞儀する彼女は前と何も変わらず、彼女の時間だけ魔法がかかっているようだった。「こんにちは」と返す僕はボサボサの髪の頭を重たげに下げた。

それから何週か経った10月のある日の放課後、図書室に青野の姿はなかった。しかし彼女の姿があった。彼女は1人で、やはり窓側を向き本を読んでいた。僕が別のテーブルに座る音に気づいたのか、こちらを向き「こんにちは」と言った。「こんにちは」と返した僕の声はもう少し、明るく言うべきだったかと少し考えた。
1時間ほど読書してそろそろ帰ろうと読んでいた文庫本を鞄にしまい立ち上がった時、彼女もちょうど帰ろうと立ち上がった。靴箱まで一緒に行くのは気まずいと思い急いで図書室を出た。すると後ろから、「先輩も帰るところですか?」と声をかけられた。「あぁ、うん。そうだよ。」「駅どっちですか?」高校の最寄りには2つ駅がある。「成京線」「あ、じゃあ一緒ですね」と言った。急いで図書室を出たのが仇となったのか。
校門を出て、フェンス越しにグラウンドの横を通り過ぎる。彼女とはいろんな話をした気がするがどんな話をしたのか覚えていない、小説の話も漫画の話もしなかったことは覚えている。彼女はその大きな口でよく笑い、その笑顔がまるでクライスラーの『愛の喜び』のようにパッと明るく、花のような可愛らしさがあった。
駅で改札を抜け反対方向のため別々のホームへと降りた。別れ間際「さようなら」と2人が言ったタイミングが一緒で最後にクスクスと彼女が笑い、僕もクスクスと笑えた。帰りの電車の中で座りながら小説を読んでいた。頭の中ではビゼーの『闘牛士の歌』が流れていた。

家に帰って本棚を見た。中学2年の夏、僕は小説にはまった。それまでは小説も読むが漫画の方が好きで、小説の方が好きという気持ちがわからなかった。しかし、ある1冊に出会い。僕は変わった。その小説は分厚く読み切るのに時間がかかるだろうけど、夏休みの暇つぶしにでもなればと読み始めた。読み始めてからすぐに、僕は今まで感じたことのないような衝撃を覚えた。「この世には不思議なことなど何もないのだよ、」ベラベラとよく喋る古書店の店主の台詞が今でもその時の衝撃とともに思い出せる。
それからの僕は世界が変わった。今までの僕がいかに不完全でみっともなかったのかを恥じた。僕の中に溢れていた偏見。未熟な考え。凝り固まった価値観。はドロドロと溶け僕が少しずつ綺麗になっていくように感じた。
しかし、まだだったのだ。まだ足りなかった。生まれ変わり自分が未熟であると感じながら、心のどこかで自分が全ての基準であると勘違いしていたのかもしれない。
「どれくらい読んでいるのか」などはくだらない基準でしかない。
「なにを読んでいるのか」なんて話のきっかけでしかないこと。そんな当然のことなのにいつのまにか薄れてしまう。どうしても自分と比べてしまう。そんな自分が恥ずかしくて嫌いだ。
なぜ僕は、鐘村夏美が漫画の話をしていることに不安を感じてしまったのだろう。鐘村夏美の読む本が何かなどほんの些細なことだ。好きなものについて語るその声はどんな楽器の音色よりも美しく感じた。きっとその時の笑顔も。
それなのに僕はその美しさの全てを分かった気になって、勘違いしていたのだ。そのくせ後悔しているのだ。なんて都合がいいんだろう。
「たったの十数年しかいきていないのに、それまでに得た経験、知識それと常識なんかでこの世の全てを分かった気になんかなるな」この言葉が中学2年からの僕の心には刻まれている。薄くなっては心に再び刻み込み、また刻んだ。
鐘村夏美の笑顔をあんなに近くで見たのは今日が初めてだった。
なぜ僕はこんなにも鐘村夏美のことを気にかけているのだろう。

「昨日一緒に帰ってたのって、彼女?付き合ってんの?」朝、村上が隣の席に座るなりそう聞いてきた。昨日の帰りテニスコートの横を通り過ぎた時に見かけたようだ。
「いや、違うよ。図書委員会の子なんだよ。」本を読みながらそう応えた。
「へえ、」村上がジッと見ているのに気づき目を合わせた。
「あの子のこと好きなの?」
「んー。わからない」心の中の自分が笑う。
「あんなに見惚れておいてわからないわけないだろう」しかし、僕は彼女の好きなものを僕の未熟な価値観で判断してしまった。ひどいことをしてしまった。
「わからないってなんだよ」村上はそう言って笑った。朝のホームルーム前の教室は騒々しく僕らの会話は他の誰の耳にも入っていない。
「山崎君、君今恋してますねぇ」と村上がからかった口調で言う。
「そうなるのかな」こんな愚かな感情を恋と呼べるのだろうか。困った表情の僕に、
「あのね、山崎。わからないことを分かったふりするから、ややこしくなるんだよ。だからあの子への自分の思いがわかんなくなってんだよ。きっと。もう少し楽に行こうぜ。」
そう言った村上にからかうような表情はなく。照れたように左の口角をあげていた。
「たまには良いこと言うじゃないか。感心したよ。」
「たまには良いこと言うんだぜ。」それから「まずはそのボサボサの髪、どうにかしろよな野生の熊みたいだぞ」

その日の放課後、また彼女は友人と窓側に向かって読書していた。別のテーブルで読書をしていると、30分ほどで彼女の友人だけが帰った。それからさらに30分ほどしたところで僕は帰ろうと鞄に読んでいた本をしまった。すると、彼女もちょうど帰るところだったらしく立ち上がり振り返った彼女と目が合った。
昨日と同じように駅まで一緒に帰った。昨日よりも僕の鼓動は早く。顔が赤くなっているかもしれない。彼女の顔をまともに見れなかった。校門を出てグラウンドの横を通るとき、テニスコートの村上をさりげなく探したが見当たらなかった。
「普段、何読んでるんですか?」
「小説が多いかな。鐘村さんは?」
「私も小説読むの好きなんですよ。特に赤松冬花さんとかが好きで。」
「赤松冬花、僕も好きだよ。」
「良いですよね!今度、赤松さんの『朧月に東風』が映画化されるんですよ。来年の春だったかな」
「そうなんだ。懐かしいな。前に読んだことあるよ。」
「私、赤松さんの作品で1番好きなんですよね。」
やっぱり好きなものについて語る彼女は美しかった。その後も駅に着くまで色々な話をした。彼女はよく笑いその笑顔がなんとも可愛らしかった。

「いや!だったら映画誘えよ!その時!」村上は僕に摑みかかる勢いでそう言った。
「いや、そのいきなりだったからさ。」
「あの子可愛いから誰かに取られちゃっても知らないよ。マジで。」
確かにそうだ。しかし、だがが委員会の先輩、後輩と言う関係で映画に行くと言うのはあまりにもバレバレというか。
「今日図書室で会ったら、誘うこといいな。」村上の目は反論を許さない目をしていた。図書室で会ったらな、と僕は声に出さず言った。

それでも僕は放課後図書室に向かった。11月になり寒さを感じるようになった夕方。その日は金曜日で放課後は図書室が開いていない日だった。これは仕方ない帰ろうと思い振り返るとちょうど彼女も図書室にやってきたのだった。
「こんにちは。」僕の表情を見て図書室が開いていないことに気がついた彼女は恥ずかしそうに「そうでした。今日は金曜日でしたね。」と言った。
僕も恥ずかしくなり頷いて「一緒に帰らない?」と言った。「はい。帰りましょうか。」
なぜか校門を出るまで2人して何も言わないままで静かに歩いていた。
「あの、」と2人の声が重なった。僕の左側を歩く彼女が右手を差し出しお先にどーぞと合図を送った。
「あのさ、昨日の映画の話なんだけどさ。」
「はい。『朧月に東風』ですよね。」
「そう。それなんだけどさ。」彼女が僕の言葉を待っている。たぶん、こちらを見つめている。
「良かったら、一緒に見に行かない?」彼女の表情がパッと明るくなった。
「いいですよ!でも公開は来年の3月とかですけど、」クスッと彼女が笑う。
「ダメかな?」「いいですよ、今から楽しみですね!」そう言った彼女の笑顔は今までよりも格段に可愛いらしかった。今回は村上に感謝しても仕切れない。
「良かった。で、何か言おうとしてなかった?」話の始まりが重なってしまっていたのだった。
「うーんと、忘れちゃいました。」と彼女は笑った。それから駅に向かう間、僕も彼女もよく笑った。

「おー!マジで誘ったのかよ!やるじゃん!」村上は自分のことのように喜んでいた。
「いや。その、ありがと」「あー。まぁいいってことよ。」
「『美女と野獣』みたいだな。あれって美女に恋して野獣になった王子様が人間に戻る話だったよな。」
「微妙に違うけど。そもそも僕人間だし。」
「今はな、髪も切ってさっぱりして、ようやく人間に戻ったんだよ。」彼はなぜか少し誇らしげだった。
それから、彼女とは委員会の集まりや放課後の図書室で会うことがあったが、一緒に帰るということはほとんどなかった。それでも帰るタイミングが重なった時は一緒に駅まで歩き一緒に笑った。冬も終わり春に近づくにつれ、約束の映画を見に行く日も近づいた。

映画は3月の三連休に見に行くこととなった。その日は3月にしては暖かかった。駅の近くの喫茶店で待ち合わせの時間まで読書をしていた。すると前の席に鐘村夏美が座った。店の中で読書してる僕を見かけて入ってきたようだ。
「早いですね。」窓の外には桜が咲いている。道行く人は春の陽気に照らされ幸せそうに見えた。「読書でもしようかなと思ってね」読んでいた本を閉じた。
映画館に向かうまで彼女との会話は笑顔が絶えなかった。
「もう1年経つんですね。」彼女はそう言った。そうか鐘村夏美と知り合ってそんなに経つのか。小説だったら1万字にも満たない短い物語かもしれないが、僕にとってはとても長い1年だった。
4月からまた図書委員かな。と思った。
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