第1話

文字数 1,028文字

仕事が終わった。
最近は残業が続いている。
社会人になりたての頃は家事をきちんとこなしていた。
ただ、数ヶ月も経てば適当になってくる。
節約のため料理はする。皿も溜まっているのが嫌だから洗ってしまう。
掃除は毎日しなくても死にはしないだろう。気になったらやるって感じだ。
風呂は基本シャワーだ。休日に浴槽にお湯を張って疲れを取る。
ただ昔から洗濯だけはダメだった。言い訳になるかもしれないが、節約のためある程度の容量になるまで洗濯をしていなかった。
けれど最近は危機的状況になるまで溜め込むようになってしまった。
なぜだ。なぜこうなってしまった。そう考えながら危機的状況になってしまったから洗濯をする。
この量だと3回はしないといけないか。結構なロスだな。
明日は休みで、食事も済ませたから特にやることもなかったから洗濯機を眺めていた。
洗濯機の回転を見ているとなぜか過去のことを思い出した。
高校3年の春と大学2年の春だ。
高校3年は部活が最後の年だった。部長をしていたが、周りに頼れる人がいなかった。高校生にしてはなかなかな仕事量だった。どうにかなると言い聞かせていた。しかし、選手として自分を成長させることができなかった。
誰も文句は言わなかったが部長のくせに下手くそ、なんでそんなやつが部長なんだと言われているようで嫌になった。
雨が降る帰り道でよく泣いていた。頭の中では青春ドラマのワンシーンかよと1人でツッコミながら泣いた。
大学2年の春は数年間片想いしていた人に友達としてしか見れないと言われフられた。4回も告白した。
その人はとても優しい人だった。
だから私はその人の優しさに甘えた。甘えすぎていた。
直接すると引かれるから心の中で土下座をします。
そんなことを考えているうちに1回目の洗濯が終わりそうだ。
あと2回か。
過去のことを思い出すと後悔ばかりだと気づく。
よく「後悔しないように!」と言う言葉を聞く。
私はその言葉は綺麗事だと思う。
少し捻くれている性格だからかもしれない。
後悔と思うのはだいたい物事が済んだ後だ。物事が済む前に言うのはきっと良いこと言った自分に惚けているだけだと思ってしまう。
ただ過去に私も言っていたなと1人で笑ってしまった。
気づけば2回目も終わっている。次が最後だ。特にやることはないがゆったりするときっと寝てしまう。
誰か私がさっき考えたことと同じことを考えたりする人がいるのかな。いたら面白いな。
同じ考えの人が、同類がいるぞとわかるようにここに記しておこう。
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