第1話
文字数 358文字
攻城戦17日目の夜が来た。
城壁の上から見る月は満月を過ぎ、逆三日月に変わっている。
敵陣に揺れる幾千もの火を見ていると、気が舞いそうになってしまうので、こうして星を見ている。
この城は100年あると言うが、100年前の奴らもここから星を見ていたのかと思うと、絶望が深まる。
ぼーっとしているとふと、声をかけられる。
「友達作りばかりが上手くなってしまったよ」
「俺もだよ、だけど、明日死んでも向こうは賑やかだろうな」
この男とはいつから話すようになったのだろうか。
妻と子がいると言っていたが、その分私より温かい人生なのだろうか。
明日も明後日も続くのであろう顔も知らぬ陛下のための戦いに備える。
攻城戦18日目の朝が来た。
今日の私はあの男のために戦おう。
ちょっとの正義感か、ちょっとの義務感か
いや、戦う理由が欲しいだけかもしれない。
城壁の上から見る月は満月を過ぎ、逆三日月に変わっている。
敵陣に揺れる幾千もの火を見ていると、気が舞いそうになってしまうので、こうして星を見ている。
この城は100年あると言うが、100年前の奴らもここから星を見ていたのかと思うと、絶望が深まる。
ぼーっとしているとふと、声をかけられる。
「友達作りばかりが上手くなってしまったよ」
「俺もだよ、だけど、明日死んでも向こうは賑やかだろうな」
この男とはいつから話すようになったのだろうか。
妻と子がいると言っていたが、その分私より温かい人生なのだろうか。
明日も明後日も続くのであろう顔も知らぬ陛下のための戦いに備える。
攻城戦18日目の朝が来た。
今日の私はあの男のために戦おう。
ちょっとの正義感か、ちょっとの義務感か
いや、戦う理由が欲しいだけかもしれない。