水02:草壁絽亜は映画を見て
文字数 2,362文字
一つ目は、山口博士が「自分は認知症か」と感じたシーン。私にも心当たりがあるからかもね。この前「弁証法的唯物論」って本を買ったんだけど、正しく理解できなかた。理解できた部分は恐らく正しくは認知されていない。
ある意味、全人類は認知症なのかもしれない。負けると知っていてもパチンコに行く人は典型なのかもね。「パチンコは負けるギャンブルだ」という認知ができていないのだから。
ま、認知症の定義は知らなから、これは単に気になっただけだよね。
三つ目は「あいうえ」と「イロハ」の仮定の部分。狂人的な博士を描写したかったんだろうけど、あの思考は「ワンストーン」という結論になった。事実「ワンストン博士」と話す流れにはなるのだけど、あの時点でなぜ「ワンストーン」と言えたのかは描写されていない。
これも、映画だって言われればそこまでの話、単なる意見に過ぎないけど……。
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そうそう、こんな感じで台詞が途切れていた。これ自体は消された事を印象づけるための演出なんだろうけど、おかしな点がある。それは、なぜ山口博士のこの台詞が「山口博士から見た一個上の世界/系」で起きたのかって事。
Z次元が、世界の境界を駆け上がるのが脅威ならば、最初の世界、つまり「ワンストン博士の作った環境シミューレータの世界」の山口博士の情報を操作するなり、消すなりすればよかった。
どんな記憶喪失なんだろう?
一定の過去、私の場合はさっきの映画「Z次元」の途中くらい、15分くらい前? の記憶しか保てない病気があるって聞いたことある。その場合は、今みたいな考えもできるらしい。ある瞬間以降の記憶が保てなくなる病気だったっけ、前方性健忘症は。
ただ、映画を見終えてからの記憶は抜けていないように思える。十数分だけ短期記憶ができる前方性健忘症ではないみたい。
仮に記憶喪失になっているなら、どうするか?
これも大切な考えだと思う。私がある種の記憶喪失になって長いなら、メモやノートを持ち歩くと思う。脳が信用できないなら、外部記憶装置に依存すればいいと考えるから。でも、私は何も持ってないみたい。財布も持っていないからには、特別チケットを使ってあのSF映画を観てたのかな?
「私」って言うからには、髪も長いし、私は多分女。そして、おそらくだけどかなり冷静な判断ができる方だと思う。普通、自分がいきなり記憶喪失になったら、パニクるだけだろうから。さ、女性トイレで確認してこよう。
(そのマンションに行けば、個人情報が集まるかも。この女性の名前はなんだろう? とにかく、あまり賢いタイプじゃないみたいだ。歩いて近いなら、私は自宅マンションから映画館に来た可能性が高いから。でも、それが最高に好都合。少しくらい記憶喪失である事がばれても、感づかないでいてくれそう)
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