プロット

文字数 1,193文字

起…
 主人公・相原織(あいはらしき)(10)は、成績優秀だが地味で目立たない無気力系男子。テストはいつも満点だから、毎日がつまらないと感じていた。

 唯一話しかけてくれるのは、クラスの中心人物である三浦祐生(みうらゆお)。織と頭の良さは変わらないのに、彼は友達が多かった。そのため引け目を感じている。

 ある日、織は学校の帰り道で「拾ってください」と段ボールに捨てられていた、白いうさぎのぬいぐるみを見つける。ベッドの隅に置き、拾ったことも忘れた頃、織はある異変を感じる。それは、自分の部屋がいつの間にか綺麗に掃除されていたり、物が勝手に動いていたりするということだ。ついに織は、うさぎが喋って、動いている場面に遭遇してしまう。

 うさぎは「バニッニ」と名乗り、ぬいぐるみの国である「『ドルドール王国』の王になってほしい」と言った。織は、刺激を求めていたので、その国に遊びに行くことにする。

承…
 ドルドール王国には、小さくてカワイイぬいぐるみがたくさん生活していた。家や家具が全て布やフェルト、綿でできており、そのカラフルでミニチュアな世界やバニッニとの冒険は、織にとって忘れられないものとなった。

 次第に現実世界での生活が疎かになった織を心配する祐生。祐生は、織がドルドール王国に入り浸っているのを偶然知ってしまう。

転…
 実は、バニッニはこの王国の王であった。そして王は、人間の世界を乗っ取ろうと計画を立てており、優秀な織を誘いこんだのだ。なぜなら、この王国のぬいぐるみたちは、一度人間に捨てられた経験があり、その憎しみから喋ることができるようになるため、人間に恨みを持っていた。バニッニとの楽しい生活を振り返ると、このまま国王になってもいいと思ってしまうが、祐生が必死に引き留める。

 そんなとき、祐生の体が一部、ぬいぐるみ化してしまう。このままではいけないと気を持ち直した織は、ぬいぐるみと人間の共存を考える。

結…
 織は、バニッニやドルドールの国民たちが、これ以上人間を嫌いにならないような秘策を考える。動画サイトで物の大切さや、ぬいぐるみの活用方法、作り方などを教える動画を投稿したのだ。小学生配信者ということもあって、じわじわとバズった。

 視聴者から「ぬいぐるみを捨ててしまったことがある。この動画を見たら、捨ててしまったことを後悔した」という声。バニッニはそれを聞いて「今更そんなことを言われても」と涙を流し、世界を乗っ取る計画は延期にしてくれるという。

 祐生の体も元通りになり、今まで意地を張っていた織も、祐生に感謝の言葉を述べ、本当の友達になることができた。

 動画のお陰でクラスでも人気者になった織。人前に出ることが苦手だった織だが、勇気を出して良かったと、成長することができた。

 織と祐生は、ドルドール王国にたまに遊びに行く。二人は、物やぬいぐるみを大切にしようと誓ったのだ。
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