第1話
文字数 3,493文字
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小山「そろそろ…だな?」
桜庭「そろそろ…向かいますかぁ~?」
毎年、後輩の桜庭と一緒に湘南へ行くのがお約束になっていた。前日、飲みに行って。僕の借りたアパートに泊まって。までがセットのコース。
小山「寝すぎたかな?間に合う?」
桜庭「間に合いますね?」
小山「んじゃ、行くか?」
桜庭「歯磨きしてからで良いですか?」
小山「…おぅ。いいよ。そりゃ。間に合う…よね?」
桜庭「間に合いますね」
小山「それなら、いいんだけど」
(夜、研く派…。なんだよな。な、小山。夜、朝研く派な桜庭…昼も研いてそうだな。)
小山「行ける?」
桜庭「大丈夫です」
小山「Okey !!」
勢い良く扉を開けると、入道雲が青い色の中に、私の季節ですよね?って。居たのを眺める。
小山「いいな。今日。いいな。うんうん」
桜庭「良かったっすね?むふっ」
桜庭と小山「…」
小山「子供扱い。しただろ?今?」
桜庭「キャハハッ。してないですよ?キャハハッ」
最寄り駅迄、水着類が入ったカバンを背負いながら向かう。以外とかさ張る不思議。
小山「…謎だよね?水着に…着替えるだけでさ?このボリュームって?」
桜庭「…良く分からないです…」
小山「…そっか…」
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桜庭「…小山さんって…いつも、何考えてるんですか?」
小山「…今?何時も?」
桜庭「ムフフッ。そっすねぇ~?今です」
小山「そりゃあ。桜《さく》ちゃんにさ?彼女出来た時の事を、考えているんだよ」
桜庭「キャハハッ。何ですか?それ。キャハハッ」
小山「学校で…聞けばいいんだけどさ?…彼女出来た?」
桜庭「居ないですね」
小山「…あぁ~。そっか。ジャニーズ顔なのになぁ~?桜《さく》ちゃんに彼女。出来たらさ?一緒に、海に行かなくなるパターンかと…思ってさ?」
桜庭「キャハハッ。小山さんは、彼女いますよね?」
小山「居るよ。なんでだよ?」
桜庭「…キャハハッ」
小山「…俺は自由なんだよ。だから。いいんだよ。何?」
桜庭「キャハハッ。そっすね?」
小山「…今、一瞬。馬鹿にしたろ?」
桜庭「キャハハッ。してないっすよ。キャハハッ」
小山「それなら…いいんだけどさ?桜《さく》ちゃんがさっ?彼女出来てぇ~。あぁ~。そっか。そうだよな。彼女の性格によるよな。よるね?」
桜庭「キャハハッ。よりますね。キャハハッ」
小山「って…いうのを考えてるんだよ。フフッ」
桜庭と小山「…」
桜庭「…もしかして?小山さんって。寂しがり屋さんですか?」
小山「…おかげ様で…寂しくないです」(渋い声)
桜庭「キャハハッ」
小山「この流れ、良くないぞ?…寂しがり屋さんですか?って…若干、こっち側も可愛くなっちゃってるし、桜《さく》ちゃん側も可愛くなっちゃってるじゃんよ。これ?」
桜庭と小山「キャハハッ」
小山「俺を可愛い系にするなよなぁ~?」
桜庭「キャハハッ」
小山「桜《さく》ちゃん側だけにしとけよ。マジで」
桜庭「キャハハッ」
小山「桜《さく》ちゃんマジック出たよぉ~。キャハハッ」
桜庭「キャハハッ。出ちゃいました。キャハハッ」
桜庭と小山「…」
小山「一旦、寝るっ。あぁ。桜《さく》ちゃんは眠い?」
桜庭「眠くないです」
小山「最寄り駅着いたら、起こして?」
桜庭「いいっすよ?」
JK集団「ムフフッ」
小山が目を開けた。JK集団の「ムフフッ」で目覚めた感じは…男性としては…悪くない目覚め。視界は斜めっていて。左耳に髪の感触が。首を真っ直ぐ。
姿勢を糺そうとするが…寄りかかられている圧力を感じ。桜庭側を見ると。
小山「寝てるだとっ!!」
驚く小山が併せて気付いた。とっても仲良しカップル。みたいな、お互いに肩を預けあってて…。
桜庭の頭が小山の肩に。桜庭の頭の上に、小山の頭が乗っていた。
小山「…桜庭よ?…最寄り駅…過ぎちゃってる。というか…何、往復目?みたいに…って。なっちゃてんだけど?」
桜庭「…」
むにゃむにゃ顔で、桜庭は俺の顔を見ると…。
桜庭「…おはようございます」(怒らないで下さいみたいな可愛い系の声で)
小山「…うん。おはよう。3時位に、なっちゃってんだけど…」
桜庭と小山「キャハハッ」
小山「最寄り駅。…既に逆向いて走ってんだけど?…いいけどさ?キャハハッ」
桜庭「いいなら、いいですっ!!」
桜庭と小山「キャハハッ」
桜庭「小山さん…帰ります?今から行っても…」
小山「此処まで来たら。最悪、海は見に行くだろ?」
桜庭と小山「…」
小山「…水着のお姉さんは…見れるはずだ」
桜庭と小山「キャハハッ」
桜庭「そっち?キャハハッ。怒られますよ?彼女さんに」
小山「見る分には、いいから。大丈夫だから。うんうん」
桜庭「そっすね?」
桜庭と小山「キャハハッ」
小山「…仲良しカップル。みたいなスタイルを何れだけの、乗客さん達に目視されてたかは…気になるな」
桜庭「…どうでもいいっすね?それは」
桜庭と小山「…」
小山「そっか…いや、気になるだろそれ?」
桜庭と小山「キャハハッ」
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桜庭「…水着持ってきた。無駄感。ありますねぇ~?」
小山「まぁな。サンダルには、履き替えようと思う」
桜庭「そっすね?」
若干、不機嫌になっている桜庭に…気を使った方がいいのか?悩む小山。
お互い無言で波打ち際へ。近寄りながらズボンの裾を折り畳み上げていく小山と桜庭は裾を折り畳まないで、良い距離迄、波打ち際に近寄る。
小山「キャハハッ。ヤバい。水着に着替えときゃ良かったぁ~。キャハハッ」
桜庭「…近寄り過ぎっすよ?キャハハッ」
波の寄せては返すに、併せてダッシュしている小山。眺める桜庭は裾を折り畳み上げていく。
小山「キャハハッ。桜《さく》ちゃんもキターッ!!」
桜庭「キャハハッ」
小山「ヤバい。大きい波来たっ♪」
何回かの往復ダッシュの後に、桜庭が逃げ遅れて、びしょ濡れに。
桜庭と小山「キャハハッ」
小山「キャハハッ。俺も濡れとくっ♪」
水しぶきと共に、海にダイブした。同じくびしょ濡れになってる小山。
小山「キャハハッ。私服の着替え持って来といて良かったぁ~。桜《さく》ちゃんも持って来てるでしょ?荷物のボリューム感。一緒だもんね?」
桜庭「持ってますね」
波打ち際で…きゃきゃする男性二人。楽しそうに幼女には、見えたのかも知れない。
波打ち際にダッシュで、近寄る私服の幼女と慌てる母親。びしょ濡れの姿で、幼女に近寄る小山。
小山「…お母さんが…悲しむぞ?」(渋い声)
桜庭「お母さんの困る顔…見たい?ムフフッ」
幼女は「にぃ」って。して母親の元に帰った…。と見せかけて、少し離れた波打ち際で…ずぶ濡れになってた。
小山「子供って。めげないんだな…」
桜庭「…そっすね…」
小山「…注意は…したよな?俺達…」
桜庭「…しましたね…」
小山「…表彰台、みたいの置いてあるな。あっち」
設置してある方を指差して桜庭に伝えた。
桜庭「…サーフィンの大会ですね?」
小山「行ってみるか?」
桜庭「フフッ。いいですよ?」
小山「…今、子供扱いしただろ?」
桜庭「してないっすよ?キャハハッ」
小山が三角座りして、サーフィン大会のアナウンスを聞いている…。
桜庭「…若干、可愛く…なってないですか?」
小山「…どうやって座れって、いうんだよ?」
桜庭「立って腕組みして…見てやってんよ?感出すとか…?」
小山「…」
桜庭「…キャハハッ。聞こえないみたいな感じ出さないで下さいよ?キャハハッ」
桜庭と小山「…」
桜庭が小山の隣にピタッと三角座り。大会アナウンスをお互いに聞いている…彼等の後ろ姿と表彰台を見ている先ほどの母親。
母親「ムフフッ」
真夏日だから。すぐに服も乾くでしょ?いいやぁ~。って。感じで。母親が眺める水平線。
桜庭「小山さんて…サーフィン分かるんですか?」
小山「…」
桜庭「小山さん?」
小山「…スゲェ~のは、スゲェ~んだよ」
桜庭「キャハハッ。知らないんっすね?」
小山「…楽しいは、底にある」(渋い声)
桜庭「キャハハッ」
小山「ぉ、1位決まったみたいだな?」
桜庭「女性の大会だったんですね?知ってます?」
小山「…カッコいいのは…分かる」
桜庭「キャハハッ」
大会アナウンスに併せて、拍手が起こる。桜庭は小山を見て。
桜庭「キャハハッ。拍手するんっすね?」
小山「するだろ普通?1位だぞ?」
桜庭「…そういう所、好きです」
小山「…ま、まぁな?だと…思ってたよ」
桜庭と小山「キャハハッ」
桜庭「何で、どもっちゃってるんですか?ムフフッ」
小山「…圧が…ヤバいからだよ?さっきの幼女の母親が…見ている…」
振り向き。キョロキョロしながら先ほどの母親を探した。
桜庭「…ホントだ。めちゃくちゃ笑顔で目あってますよ?」
小山「だろ?」
桜庭と小山「キャハハッ」
桜庭「何で、分かるんですか?キャハハッ」
小山「経験と感だな」
桜庭と小山「キャハハッ」