プロット

文字数 903文字

起)小学6年生の翼は、漫画以外の本が大嫌い。読んでいれば飽きる、国語の授業中は寝る、文字ばかりでつまらない、じっとしていられない。ある日、翼は友人の家で見慣れないゲームを見つける。遊ばせてもらったそのゲームはいわゆる「ノベルゲーム」と呼ばれるもので、文章を読むことが中心のゲームだった。最初は苦手意識を持つ翼だったが、ボイス付き・絵がある・効果音も入っている点でアニメのようにも感じられ、段々のめり込んでいく。ストーリーの続きが気になった翼は自分でも買って遊んでみることに。さらにそれに原作があると知って、「原作小説を読んでみようか」という気になった。

承)自分とは縁がないと思っていた図書室。しかし、図書室で借りた原作小説を1日の内に読み終わってしまう。初めて文字の物語にのめり込む楽しさを知る翼。ある放課後、図書室で小説を書いている少女を見かける。それは本好きのクラスメート・しおりだった。「私は自分の本を作りたいの。協力して」。半ば無理矢理に約束させられた翼は、編集者をやっている親戚に話を聞いたり、同人誌を出している大学生に話を聞いたり、“面白い本作り”のために東奔西走することになる。

転)どうやらその小説は、夏休みの自由研究として発表したいらしい。翼もしおりの書いた小説のチャックを行ったり、製本の準備に取り掛かったり、宣伝の方法を考えてみたり楽しくなってくる。しかしある日、しおりは締め切り間近にして、自分の原稿をびりびりに破いてしまった。「締め切りに間に合わない」と怒る翼と、「それでも自分の納得のいく小説を書きたい」というしおりとで大ゲンカ。結局印刷の締め切りを過ぎてしまう。

結)頭を冷やして、話し合う二人。しおりが本作りにかける思いを知った翼は、しおりの物語を何としてでも皆の目に留まらせたいと考える。そして、「今からでも良いから、夏休み終わりまでに書ける短いお話を書いて」と頼む。
夏休みが終わり、新学期初日。二人は二人の自由研究の成果を持っていく。それは、しおりが小説を書き、翼がコンピュータで体裁を整えた、“電子書籍”としての小説だった。いつか紙での本を作ろうと、翼としおりは約束する。
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