第1話

文字数 994文字

きみといっしょにエスケープ! プロット

起)小学5年生の高田なぎこはクラスの中でもおとなしく目立たない子。勉強もまあまあ、運動もまあまあ。休み時間は本を読んでいる。クラスの女子の恋愛話にはついていけない。
家では父親の古いスマホを借りて、脱出ゲームをするのが楽しみ。
ある日、なぎこは学校の帰り道に古びた鍵を拾い、交番に届けようとする。途中、古い洋館のレンガ塀の中に一つだけ新しいレンガがはまっていることに気づき、動かしてみるとそこには鍵穴があった。なぎこは思わず鍵をさして回してしまう。

承)気が付くとなぎこは古い洋館の中に閉じ込められていた。ゲームと違い、分かりやすくない!とパニックになるなぎこ。そこに別の部屋から菊城十亜野という男の子が現れた。
すでに数日をこの洋館で過ごしているという。お互いのことを話す中で、脱出ゲームを全くしたことがないという十亜野に説明するうちに、だんだんと冷静になっていくなぎこ。
よく見れば怪しいところはいくつも見つかる。二人は協力してこの洋館から脱出することにする。

転)人形の並べ替え、部品探しなどを順調にクリアする二人だったが、真っ暗な地下室に降りていくときに、十亜野は震えだし過呼吸になる。最初の部屋に戻ったなぎこは、掛かっている肖像画が父親に似ていると言っていたことや、十亜野の「帰れなくてもいいかもしれない」という言動から、十亜野が父親に虐待されているのではないかと考える。
なぎこは地下室の迷路に一人で挑み、最後の鍵であろうパネルを持ち帰る。
虐待を疑っていること、最後の問題を解けば外に出られるであろうことを説明し、一緒に帰れたなら信頼できる大人をさがそう、帰りたくないなら帰りたくなるまで一緒にいようと提案する。十亜野は悩んだ末、帰ることを選択する。

結)アナグラムを使って無事洋館から脱出したなぎこ。しかし一緒に脱出したはずの十亜野の姿はそこにはなかった。
数か月後、なぎこのクラスに転入してきたのは十亜野だったが、名字が「奥沖」に変わっていた。「アナグラムにしてもなんにもならないよ」と十亜野は言うが、なぎこはアルファベットに直せばアナグラムで意味を持つことに気づくのだった。


高田なぎこ  たかだなぎこ    こなたかぎだ
菊条十亜野  きくじょうとあの  じょうのあくとき 
奥沖十亜野  okuokitoano  anootokikou あのおときこう
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