青い空の砂

文字数 338文字

夢だったのだろうか
見渡す限りの青空に
ふわふわ流れる白い雲
そのすべてが砂だったとき

ぼくは乗っかっている
空中に浮かぶ性欲の
掻きむしって穴を掘って
煙のように霧消することを願った

透明だった冬
思い出に油絵を重ねる
きみの顔がきみの顔から遠ざかっていく
景色とは流動的だと知った春

砂の上から見下ろすと
一面の青い海
とても深い海
誰もいない海

ほんとうに恐れていたのは
実は孤独なんかじゃない
ぼくは一人ぼっちの歌より
二人並んで撮る写真が嫌いだった

きみの声が聞こえそうだから
宇宙と呼ばれる嘘の世界から
嘘ばかりだったきみの言葉が
憂鬱なタバコの残り香で

ようやくぼくは目を覚ます
それでもそこは砂の上
遥かな海の青い空の中
きっと笑ってる

きみは笑ってる
ぼくだって負けてはいない
カラカラと砂のように
笑いながら崩れながら
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