生か死か
文字数 3,889文字
キキーー!
バンッ!!!!
ピーポーピーポー・・・
「・・・う・・・う~ん・・・ここは・・・?」
目が覚めた僕は見慣れない天井・・・というか、
見慣れない天井の無い天井を目にした・・・
「・・・え・・・ほんとにどこ?」
「目覚めましたか?」
いきなりどこともなく、きれいな女の人とわかる、
まさに透き通った美声が聞こえて来た・・・
「え・・・あ、はい・・・」
そう返事をしながら、体を起こしつつ声のする方を確認した・・・
「気分はいかがですか?」
そう言って声をかけてくれた女性の姿を僕は確認し、
目があった・・・
「・・・え・・・
めっちゃ美人じゃないですかーー!!!」
ビクッ、いきなりの絶叫にその美人さんは少し体をはねさせ驚いた。
「あ・・・ありがとうございます・・・」
美人さんは、テレているというか、戸惑い交じりのありがとうをかえす。
「あ!!美人さん、ここはいったいどこですか!?
僕の部屋じゃない、知らない天井なんです!?」
美人さんの美人度に驚愕しつつも、ここがどこなのか聞く事が出来た・・・
「・・・ここは・・・」
美人さんが、意味深な間をあける・・・
「・・・ここは・・・?」
ゴクッ、意味深な間に、意味ありげに唾を飲む・・・
「・・・死後の世界です・・・」
「・・・へ・・・?」
「・・・死後の世界です・・・」
「あ・・・あはは~冗談きついですよ~美人さん!」
突拍子もないその言葉を信じはしなかったものの、
変な汗をかいた気がして額をぬぐった。
「・・・え・・・?」
ぬぐった手を汗がついたか確認してみた僕は、
またも驚くこととなった・・・
「・・・なんですかこれはーーーー!!!!!」
自分の腕を見てこの上ない驚きが生れた、
なぜなら・・・僕の手には大量の真っ赤な血に染まっていたからだ・・・
「なんなですかこれ!?」
驚きを美人さんにぶつける。
「・・・あなたの血です・・・」
「え!?ウソッ!?この量は死んじゃいますよ!?」
「・・・はい・・・あなたは死んでおられます・・・
なので、この死後の世界におられるのです・・・」
「マジかーーー!!!!」
「・・・はい・・・」
美人さんのはい、は優しく少し悲しそうだった・・・
生きとし生けるものを慈しんでいるかのように、
生きていたものがここに来る事を受け入れつつも、
悲しむべきと言わんばかりに・・・
「・・・僕は・・・どうなるんですか・・・?」
「・・・」
またも意味ありげな間がうまれる・・・
「・・・あなたは・・・」
ゴクッ
「・・・僕は・・・」
「生き返るか・・・ここ死後の世界・・・
天界で暮らすか選んで頂きます」
「・・・ま・・・マジっすか・・・えっと・・・
今更ですが貴方は何ものなんですか?」
「・・・私は、天界の女神です」
「マジかー!!まさにこれが世にいう究極の選択、
生か死かを天秤にかけるってやつか~!」
天界だけに・・・僕は心の中でそう思う。
「・・・あの、いくつか質問していいですか?」
「はい」
いくつか聞きたいことを聞いてみる事にした。
「・・・僕はどうして天界にいるんですか?」
「それは先ほども申し上げたとうり、
あなたが亡くなられたからです」
「あ、そうではなく、
地獄とかじゃなくて、何で天界にいるのかということです」
僕は悪い人間ではないと思うが、別に特別いい人間というわけでもないと思う。
「そういう事ですか、それは貴方が死の直前に取った行動が善なる行いだったからです」
「善なる行い?」
僕は自分が死んだ時の事が思い出せなかった・・・
「ああ、ショックで覚えていられないのですね・・・
貴方は大きな車にはねられそうになっていた、子猫を助け、
代わりに、車にはねられたのです・・・」
「ああ、僕はそれで死んだのか・・・」
「いえ」
「え!?違うんですか!?」
「はい、その後何事もなかったかのように歩いて行かれた先で、
今度は貴方と同い年くらいの女の子が、工事中のビルの上から落ちて来た鉄骨にその命を奪われそうになっていた所を、
女の子を庇い・・・」
「・・・それで僕は死んだのか・・・
誰かの役に立って死ねたならそれも悪くないかな・・・」
「まだ亡くなってはおられません」
「まだ死なないの!?僕の生命力半端なくないですか!?
僕、マジ半端ない!?」
「鉄骨を体に突き刺したまま、またも何事もなかったかのように歩いて行かれた先で・・・」
「・・・鉄骨刺さったままって・・・バケモンじゃないですか・・・」
そんなツッコミを入れつつ女神さまの話を聞く。
「・・・そこで木から落ちそうになっていた小鳥を助けて・・・」
「・・・もしかして・・・まだ死にませんか?」
「はい」
「・・・もう過程はいいんで、最後を聞いていいですか?」
「・・・わかりました・・・貴方は数々の命を救い、死の直前に便意をもようし、
公衆トイレに行き、鉄骨が体に刺さり、左手の骨は砕け、足の筋が切れた状態で便器に腰掛けました・・・
そして・・・ふんっと力を入れた瞬間に・・・力尽きました・・・」
「最後は気張って死んだんですか~!?もっと前に死んでもおかしくない所てんこ盛りだったのに!?
・・・はぁ~まぁ僕が何で天界にいるかはわかりました・・・
え~と、さっき選んでもらうって言ってましたよね?」
「ええ、そういいました」
「生き返る事ができるんですか?」
「はい、貴方の善行は女神である私ですら驚きました・・・
なので、今回だけ特別に貴方に生き返る選択肢を用意させて頂きました」
「ちなみに生き返ったらどんな状況ですか?」
「・・・今まさに病院に行こうとする所で時は止まっています、
なので、生き返った時は・・・」
「ああ、わかりました」
ふと、また死ぬんじゃね?という思いが頭をよぎった・・・
「え~と、もう少し聞いていいですか?」
「ええ、構いませんよ・・・私も貴方とお話するのは楽しいですから(ポソリ)」
「え?すいません最後の方が少し聞き取れませんでした、なのでもう一度お願いしてもいいですか?」
「い!?いえ!?何でもありませんのでお気になさらず!?」
わたわたと手を振りながら少し慌てている様な女神様。
「?はぁ、わかりました、あの、それで・・・」
「はい?」
女神様が可愛らしいしぐさで首を傾げる。
「質問の続きなのですが~」
「ああ、はい、わかりました」
「・・・僕・・・生き返ったら・・・
もてるとかって事・・・ありませんか?」
「ええ、ありますよ」
「ホントですか!?」
「はい、貴方が助けた数々の生命、動物達から大いにもてます」
「う~~~ん!?動物ですか~?」
首がちぎれんばかりに頭を斜めに傾げながら聞く。
「はい、後、貴方が助けた女の子も貴方に好意を寄せているようです」
「え!?どんな子ですか!?」
「?姿ですか?」
「はい!!」
「え~と、この方です」
そう言いながら女神様が鏡をいきなりどこからともなくだし、女の子の姿を写してくれた。
「え!?・・・この方ですか?」
「はい」
その言葉に僕は落胆した、なぜなら鏡に写っていたのは、如何にも柔道やってますみたいなガタイの良い女の子だった・・・
「せめて・・・せめて助けた女の子は女神様の様な美人が良かった!?」
そう叫びながら僕は地面に膝をつき両の手で真っ黒な地面を叩いた。
「美人・・・ですか・・・(ポッ)」
「どうしたんですか?」
女神様のほほが少し赤い気がしたので、心配になり聞いてみた。
「い!?いえ!?何でもありません!?」
「はぁ~・・・女神様・・・」
「はい?」
「天界は、女神様のように美人ばかりなのですか?」
自暴自棄になり、絶望交じりにこんな事を聞いてしまう。
「え?え~と、私が美人かはわかりませんが、天界には見目麗しい女性しか住んではいません」
「女神様は美人ですよ!!・・・ってホントですか!?」
「あ・・・ありがとうございます・・・(ポ)はい、天界に住む権利を得た男の方は貴方が初めてです」
なんてこった・・・美人だらけのハーレムってやつですか!?
「あ・・・あの・・・」
「はい?」
僕は先程の事があったのであまり期待せずに聞いてみた。
「天界で・・・天界で僕がモテたりなんて事・・・ありますか・・・?」
「・・・」
もう慣れ始めた意味ありげな間に、ゴクリと唾を飲む・・・
「はい・・・あります、天界の皆は貴方の、自らの命を顧みず生きるものの生を助けた話を聞いて、あの方に惚れてしまった!!あの方と一生を添い遂げたい!!
という声が多く上がっております・・・かくゆう私も・・・貴方に好意を寄せています!」
カァァァと女神様のほほが赤らむ・・・
「・・・女神様・・・」
「はい?」
「・・・僕・・・」
「はい」
コッコッコッ、僕は女神様に近づき・・・血だらけの右手で女神様の顎をくいっと持ち上げた、そして一言。
「・・・天界に住みます!!」
人生・・・もう死んでいるが・・・最大のキメ顔で僕はそういった、
・・・かくして、数々の命を救った僕は、天界で見目麗しい方々に囲まれて幸せに暮らしました。
終わり
バンッ!!!!
ピーポーピーポー・・・
「・・・う・・・う~ん・・・ここは・・・?」
目が覚めた僕は見慣れない天井・・・というか、
見慣れない天井の無い天井を目にした・・・
「・・・え・・・ほんとにどこ?」
「目覚めましたか?」
いきなりどこともなく、きれいな女の人とわかる、
まさに透き通った美声が聞こえて来た・・・
「え・・・あ、はい・・・」
そう返事をしながら、体を起こしつつ声のする方を確認した・・・
「気分はいかがですか?」
そう言って声をかけてくれた女性の姿を僕は確認し、
目があった・・・
「・・・え・・・
めっちゃ美人じゃないですかーー!!!」
ビクッ、いきなりの絶叫にその美人さんは少し体をはねさせ驚いた。
「あ・・・ありがとうございます・・・」
美人さんは、テレているというか、戸惑い交じりのありがとうをかえす。
「あ!!美人さん、ここはいったいどこですか!?
僕の部屋じゃない、知らない天井なんです!?」
美人さんの美人度に驚愕しつつも、ここがどこなのか聞く事が出来た・・・
「・・・ここは・・・」
美人さんが、意味深な間をあける・・・
「・・・ここは・・・?」
ゴクッ、意味深な間に、意味ありげに唾を飲む・・・
「・・・死後の世界です・・・」
「・・・へ・・・?」
「・・・死後の世界です・・・」
「あ・・・あはは~冗談きついですよ~美人さん!」
突拍子もないその言葉を信じはしなかったものの、
変な汗をかいた気がして額をぬぐった。
「・・・え・・・?」
ぬぐった手を汗がついたか確認してみた僕は、
またも驚くこととなった・・・
「・・・なんですかこれはーーーー!!!!!」
自分の腕を見てこの上ない驚きが生れた、
なぜなら・・・僕の手には大量の真っ赤な血に染まっていたからだ・・・
「なんなですかこれ!?」
驚きを美人さんにぶつける。
「・・・あなたの血です・・・」
「え!?ウソッ!?この量は死んじゃいますよ!?」
「・・・はい・・・あなたは死んでおられます・・・
なので、この死後の世界におられるのです・・・」
「マジかーーー!!!!」
「・・・はい・・・」
美人さんのはい、は優しく少し悲しそうだった・・・
生きとし生けるものを慈しんでいるかのように、
生きていたものがここに来る事を受け入れつつも、
悲しむべきと言わんばかりに・・・
「・・・僕は・・・どうなるんですか・・・?」
「・・・」
またも意味ありげな間がうまれる・・・
「・・・あなたは・・・」
ゴクッ
「・・・僕は・・・」
「生き返るか・・・ここ死後の世界・・・
天界で暮らすか選んで頂きます」
「・・・ま・・・マジっすか・・・えっと・・・
今更ですが貴方は何ものなんですか?」
「・・・私は、天界の女神です」
「マジかー!!まさにこれが世にいう究極の選択、
生か死かを天秤にかけるってやつか~!」
天界だけに・・・僕は心の中でそう思う。
「・・・あの、いくつか質問していいですか?」
「はい」
いくつか聞きたいことを聞いてみる事にした。
「・・・僕はどうして天界にいるんですか?」
「それは先ほども申し上げたとうり、
あなたが亡くなられたからです」
「あ、そうではなく、
地獄とかじゃなくて、何で天界にいるのかということです」
僕は悪い人間ではないと思うが、別に特別いい人間というわけでもないと思う。
「そういう事ですか、それは貴方が死の直前に取った行動が善なる行いだったからです」
「善なる行い?」
僕は自分が死んだ時の事が思い出せなかった・・・
「ああ、ショックで覚えていられないのですね・・・
貴方は大きな車にはねられそうになっていた、子猫を助け、
代わりに、車にはねられたのです・・・」
「ああ、僕はそれで死んだのか・・・」
「いえ」
「え!?違うんですか!?」
「はい、その後何事もなかったかのように歩いて行かれた先で、
今度は貴方と同い年くらいの女の子が、工事中のビルの上から落ちて来た鉄骨にその命を奪われそうになっていた所を、
女の子を庇い・・・」
「・・・それで僕は死んだのか・・・
誰かの役に立って死ねたならそれも悪くないかな・・・」
「まだ亡くなってはおられません」
「まだ死なないの!?僕の生命力半端なくないですか!?
僕、マジ半端ない!?」
「鉄骨を体に突き刺したまま、またも何事もなかったかのように歩いて行かれた先で・・・」
「・・・鉄骨刺さったままって・・・バケモンじゃないですか・・・」
そんなツッコミを入れつつ女神さまの話を聞く。
「・・・そこで木から落ちそうになっていた小鳥を助けて・・・」
「・・・もしかして・・・まだ死にませんか?」
「はい」
「・・・もう過程はいいんで、最後を聞いていいですか?」
「・・・わかりました・・・貴方は数々の命を救い、死の直前に便意をもようし、
公衆トイレに行き、鉄骨が体に刺さり、左手の骨は砕け、足の筋が切れた状態で便器に腰掛けました・・・
そして・・・ふんっと力を入れた瞬間に・・・力尽きました・・・」
「最後は気張って死んだんですか~!?もっと前に死んでもおかしくない所てんこ盛りだったのに!?
・・・はぁ~まぁ僕が何で天界にいるかはわかりました・・・
え~と、さっき選んでもらうって言ってましたよね?」
「ええ、そういいました」
「生き返る事ができるんですか?」
「はい、貴方の善行は女神である私ですら驚きました・・・
なので、今回だけ特別に貴方に生き返る選択肢を用意させて頂きました」
「ちなみに生き返ったらどんな状況ですか?」
「・・・今まさに病院に行こうとする所で時は止まっています、
なので、生き返った時は・・・」
「ああ、わかりました」
ふと、また死ぬんじゃね?という思いが頭をよぎった・・・
「え~と、もう少し聞いていいですか?」
「ええ、構いませんよ・・・私も貴方とお話するのは楽しいですから(ポソリ)」
「え?すいません最後の方が少し聞き取れませんでした、なのでもう一度お願いしてもいいですか?」
「い!?いえ!?何でもありませんのでお気になさらず!?」
わたわたと手を振りながら少し慌てている様な女神様。
「?はぁ、わかりました、あの、それで・・・」
「はい?」
女神様が可愛らしいしぐさで首を傾げる。
「質問の続きなのですが~」
「ああ、はい、わかりました」
「・・・僕・・・生き返ったら・・・
もてるとかって事・・・ありませんか?」
「ええ、ありますよ」
「ホントですか!?」
「はい、貴方が助けた数々の生命、動物達から大いにもてます」
「う~~~ん!?動物ですか~?」
首がちぎれんばかりに頭を斜めに傾げながら聞く。
「はい、後、貴方が助けた女の子も貴方に好意を寄せているようです」
「え!?どんな子ですか!?」
「?姿ですか?」
「はい!!」
「え~と、この方です」
そう言いながら女神様が鏡をいきなりどこからともなくだし、女の子の姿を写してくれた。
「え!?・・・この方ですか?」
「はい」
その言葉に僕は落胆した、なぜなら鏡に写っていたのは、如何にも柔道やってますみたいなガタイの良い女の子だった・・・
「せめて・・・せめて助けた女の子は女神様の様な美人が良かった!?」
そう叫びながら僕は地面に膝をつき両の手で真っ黒な地面を叩いた。
「美人・・・ですか・・・(ポッ)」
「どうしたんですか?」
女神様のほほが少し赤い気がしたので、心配になり聞いてみた。
「い!?いえ!?何でもありません!?」
「はぁ~・・・女神様・・・」
「はい?」
「天界は、女神様のように美人ばかりなのですか?」
自暴自棄になり、絶望交じりにこんな事を聞いてしまう。
「え?え~と、私が美人かはわかりませんが、天界には見目麗しい女性しか住んではいません」
「女神様は美人ですよ!!・・・ってホントですか!?」
「あ・・・ありがとうございます・・・(ポ)はい、天界に住む権利を得た男の方は貴方が初めてです」
なんてこった・・・美人だらけのハーレムってやつですか!?
「あ・・・あの・・・」
「はい?」
僕は先程の事があったのであまり期待せずに聞いてみた。
「天界で・・・天界で僕がモテたりなんて事・・・ありますか・・・?」
「・・・」
もう慣れ始めた意味ありげな間に、ゴクリと唾を飲む・・・
「はい・・・あります、天界の皆は貴方の、自らの命を顧みず生きるものの生を助けた話を聞いて、あの方に惚れてしまった!!あの方と一生を添い遂げたい!!
という声が多く上がっております・・・かくゆう私も・・・貴方に好意を寄せています!」
カァァァと女神様のほほが赤らむ・・・
「・・・女神様・・・」
「はい?」
「・・・僕・・・」
「はい」
コッコッコッ、僕は女神様に近づき・・・血だらけの右手で女神様の顎をくいっと持ち上げた、そして一言。
「・・・天界に住みます!!」
人生・・・もう死んでいるが・・・最大のキメ顔で僕はそういった、
・・・かくして、数々の命を救った僕は、天界で見目麗しい方々に囲まれて幸せに暮らしました。
終わり