第2話 現場指揮官

文字数 615文字

F地区の掘削現場、ユンボとダンプカーを動員しての大規模な工事が進んでいる。
(S駐屯地施設科部隊  N1尉)早速、堀りにまた奴等が落ちたそうだな。個体数を確認して、普通科の奴らに知らせろ。射殺次第、ユンボで引き揚げて焼くんだ)
ターン、ターン。遠くで銃声音。
やられた。残念。
(施設科隊員  H二曹)全く、熊みたいなネズミですよ。銃でもなけりゃ、人間なんてかなわない。このまま堀りと塀で囲って、兵糧攻めにした方が被害が少なくて済むんじゃないですか。
ドッド、ドッド。生コンミキサーが生コンを練る。
オーライ、オーライ。
(N1尉)囲みが出来次第、普通科の奴等がレコンに入る。その前に、ヘリボーン作戦があるや否やだ。
巨大化したネズミが焼けて黒煙が空に上がり、鼻につく悪臭が漂う。
焼かれてる。
(先任陸曹  S曹長)中隊長、昼食の準備が出来ました。
(N一尉)よし、二交代制で順番に飯にしろ。作業を休めずに進めろ、悪臭が鼻に着くが腹ごしらえだけはしとくんだ。

 S曹長、レコンの奴等の分も準備は出来てるか?

キッキー、キッキー。遠くでネズミの断末魔の叫び声。

ターン、ターン。銃声音。

銃を使うとは卑怯なり、人間ども。
今日のは、デカイぞ。
(S曹長)準備は出来ております。しかし長引きますと。
(N1尉)そうだな。奴等を兵糧攻めする前に、こちらの兵站線をしっかりしておかなくては。M駐屯地の需品科に来てもらえるよう、早速今晩にもCPのD1佐に意見具申してみよう。
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