仏の彼氏も三度まで

文字数 906文字

 はぁ…。最高だわ…。

 幸之助くんは何をしても許してくれるんだから。

 可愛い私は人生安泰だわぁ。

「芽依さん。もう3回目ですよ。次はないですよ。」

 そう彼に言われたが直す気なんてさらさらない。

 私が彼になぜ注意されているのかと言うと、浮気をしたからだ。
 はじめの時はかなり彼にくっついていたけど、最近は物足りなくなってきてしまった。

 彼は優しくて、かっこよくて、包容力があって…。
 なんでも完璧だと思っていた。

 ただ…。
 付き合って2年にもなるのに、まだ敬語だし、さん付けだし。

 なんだか壁を感じるようになってから物足りなくなっていった。

 そんな時にすり寄ってきたのが高校の先輩なのである。
 先輩は幸之助くんと別れて、俺と付き合おうと言ってきたが、正直あくまで本命は幸之助くん。
 先輩とは交際関係にはなれないと感じている。

 やっぱり彼の優しさは誰にも真似できない。

 ただ…。私はその優しさに甘えていた。
 幸之助くんは優しくてすぐに許してくれるから…。

 ただ私はのちに痛い目にあう…。

 *数日後*

 彼にまた浮気をしていることを見つかって部屋に呼ばれてしまった。

「芽依さん。また浮気しているんですか?」
「うん…。まあね…。」

 私はすぐに認める。
 そうすればまた許してくれるだろう。
 そう思っていた…。

「もうないって言ったじゃないですか。」

 彼の聞いたことのない大声が響き渡り、私は思わずびっくりして飛び上がってしまった。

「ど、どうしたの…?」
「どうしたのじゃないですよ。どうして浮気するんですか?僕じゃ物足りないですか?」
「いや…。うん。ちょっとね。」
「どういうところですか。」
「いまだに敬語だし、さん付けだし、なんかあんま恋人っぽいことしてないなあって。」

 そういや手を繋いだのもキスしたのもどれぐらい前だろうか。
 それぐらい恋人っぽいことしてないなあ。

「わかった…。」

 彼はそういうと私をベットに押し倒す。

 私が混乱していると、彼の唇が迫ってきて私に触れる…。

「え…?」

 私が目を白黒させていると、

「俺も恋人らしいことして来れなくてごめん。だからさ…。」

 彼は覚悟を決めたようにこう言った。

「今晩は覚悟しろよ…。」
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