第1話

文字数 438文字

 世の中には、小説を書くのが楽しくて仕方がない、という人がいるらしい。しかし私は違う。私にとって小説を書くことは、苦行に他ならない。
 それなのになぜ、小説を書き続けるのか。それには理由がある。私には、この目で見てみたい物語があるのだ。
 中学生の頃に一つ、高校生の頃に二つ、社会人になってから一つの物語を思いついた。それは少なくとも私にとっては素晴らしい物語で、何よりも夢中になれるものだ。
 本当ならば、私はそれを漫画やアニメで見てみたい。しかし私には絵を描くという才能が、文才以上にない。イケメンを描くことはとても難しいが、文章では周囲の人間にキャーキャー言わせておけば、それだけでイケメンになる。「表現すること」が私にもできるように感じられた。
 私に文才がないことは分かっている。しかしそれでも、私には読みたい物語がある。それをいつか形にするためだけに、私は今も小説を書き続けている。いつか少しでも力がついて、頭の中に思い描いている物語を形にできる日が来ることを願っている。
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