党首公選について

文字数 1,588文字

 共産党員がまた一名除籍された。
 何でも党首公選を主張してとのこと。
 巷では、統一地方選での敗退が予想されるが、まあこの種の期待はいまだ裏切られたことがない。

 さて。
 与党である自由民主党では、年四千円の党費を払うと、総裁選での投票権が得られるという。
 野党第一党の立憲民主党も、年六千円の党費を払えば、代表選で同じことが許可される。
 しかるに。
 共産党はどうか?
 党員になると、年の実収入から1%を納める党規約。年の手取り二百万円なら、二万円も納める計算だ。
 だけでなく、赤旗(月に日刊3497円と日曜版930円)も購読しなければならない。
 が、それで終わりでなく、数々のカンパや有形無形の貢献を求められる。
 しかし、党首を一般党員が選ぶことはできない。
 日本の公党で党内選挙が行われないのは、公明党と共産党だけなのだ。
 あのれいわですら、代表選をやった。
 これが後に大きな差となるだろう。

 作者が訊いてみたいのは、共産党員はこんな扱いを受けてよく平気でいられるなってことね。
 先の紹介で述べたように、有形無形の貢献をして、何の権利も得られない。
 いや、革命後には指導的な立場が約束されている?
 ご冗談をw
 宗教ならともかく、世俗的な政治家が約束すべきなのは、今生での利益だろうが。
 理想が成就されたら実現する契約など、詐欺以外にどう呼べばいいのだろうか?
 ほら、あれだよ。
 ばくち打ちが、
「きっと倍にして返す」
 っていうあれ!
 こういうのは信用がなければ誰も投資しない。
 果たして、今の共産党に有権者は魅力を感じるか?
 夢を語れず、希望も謳えず、今の苦しさから救ってくれると思わせるだけのビジョンだってない。
 ルサンチマンを抱えた人が、八つ当たりするために使ってるくらいだろう。
 何よりも、当の本人たちが一番抑圧されている。
 誰にって、君らの委員長に。
 共産党員に最も足りないのは、自分の頭で考えること。
 そのために必要なのは、党幹部に精神的な依存をしないことだと思う。
 もっと言えば、「革命が夢」であるはずの組織なんだから、従順な羊みたいにイエスマンとなってはダメだ。
 世の中を根底から変えようってんだから。
 「優等生」に世の中を変えることはできない。「あらかじめ許された範囲内での改革」に終始するだけで。
 だから、現時点でなら、れいわやN党といった政党の方がはるかに「革命家」にふさわしい。
 特にれいわ。
 誰も無理と言っていた消費税廃止を与党以外にまで流布させ、中曽根内閣以降に世をおおっていた新自由主義的価値観に反旗を翻したのだからね。
 誰もが自分らしく生きれる社会。
 なぜ、これを自称弱者の味方な共産党は言えないのか?
 れいわはさらに言う。
 奨学金徳政令であり、最低賃金を国が保障する、と。
 夢物語のようではあるが、でも実現するなら、旧い政党にスルーされてきた有権者にとっては福音だ。
 こういった声を、全国に様々な下部団体を従え、野党第一党よりもずっとシッカリした組織を持つ共産党は、汲み上げることができなかった。
 さらにさらに!
 共産党は大企業の内部留保から、中小零細を支援する資金源にする、と主張する。
 れいわだと積極財政で、それをまかなう。
 方法論はともあれ、これは根本から違う価値観だ。
 つまり、大きく持てる者から、小さく持てる者に分配するのが共産党。
 通貨発行で全体のパイを大きくし、持たざる者を含めて全体を底上げするのがれいわ。
 ようするに、田中角栄時代の自民党の政策をれいわは踏襲しているのだろう。

 だから、共産党は凋落し続け、これまで口をふさがれてきた民意を汲み上げた政党が躍進したのだといえる。
 もちろん、どんなことにも一発逆転なんて奇策はない。
 ただ、主張を硬直化させ、教条主義から間違いを認められないなら、あとは滅ぶ以外に未来があるだろうか?
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