ハンバーグが食べたいだけだったのに
文字数 1,983文字
家庭でも作りやすくておいしくて、唐突に食べたくなるもの。カレーライスや唐揚げなどひとぞれぞれ様々なものが思い浮かぶだろう。
まさに私は今、ハンバーグが食べたいと思いスーパーマーケットの精肉コーナーでひき肉をカゴに入れた。
家ではもちろん、外食でも給食でも子どものころから慣れ親しみ食してきたハンバーグ。
ひき肉と卵、パン粉をボールに入れて下味をつけて捏 ねる。こねてこねて適当なところで形を整えて焼く。ハンバーグは、これだけの工程で作れる旨いメニューである。
そもそもハンバーグとはなんだ。
いや、解る。解っている。肉を捏ねて丸めて焼いたものがハンバーグだ。その形は小判型か俵型と決まっている。球状のものはミートボールなのだから。
じゃあ、なぜハンバーグはハンバーグなんだ。私はハンバーグを食べたいだけだったのに、突然沸いた疑問符に脳ミソを捏ね始めた。
和食ではないのは確かだ。これは間違いなく西洋料理。欧米から伝わりし食べ物だ。
そうなるとこのハンバーグという名は実は和製英語なのかもしれない。
例えばフライドポテトはアメリカじゃフレンチフライになる。同じようにハンバーグは日本ならではの言われ方なのかもしれない。
と、なるとハンバーグはハンバーグなのかハン‐バーグなのか。
ハンバーグは肉料理だ。ビーフ100%のハンバーグも存在するが、牛豚合挽肉を使うのがイメージとして浮かぶ。どこかで日本人好みのハンバーグは豚肉が入っていることと読んだ気がする。
すなわちハンバーグのハンは牛豚肉を半分ずつ使う半から来ているのではないか。
半バーグだ。豆腐ハンバーグは半分豆腐が使われているから豆腐半バーグなのだ。合点がいく。
いや、ならばバーグとはなんだ。90年代初期に活躍した女性ヴォーカルバンドにもバーグが入っているが、その由来は確か人名だったはずだ。料理名で稀にある最初に作った料理人の名前がバーグさんなのかもしれない。
バーグ、人名と同じ綴りなら[berg]でアイスバーグ、氷山を意味する。もし[burg]な町や市といった意味だ。
もしかしたら、氷山を割ってしまったり、街を二分 する争いが起きたりするほど美味しい料理だから、ハンバーグなのかもしれない。
いや、待てよ。ハンバーグのハンを半だと思ってここまで考えたが、そもそもハンの意味を取り違えている可能性が出てきた。
ハン……[ham]これはハムだ。豚のもも肉だ。ハムバーグが転訛 してハンバーグになったのか。バーグさんがハムを使ったか、間違ったかして生まれた料理がハンバーグか。これは説得力があるかもしれない。
[hum]ならhummingというように鼻歌という意味だ。これが当てはまるとすれば由来はバーグさんが鼻歌を歌いながら作ったか、街中で鼻歌を歌ってしまうほど旨いものがハンバーグということになる。これも納得できそうな気もする。
たしか、漢王朝を示すものもハンという発音だったはずだが、ハンバーグは洋食であって中華料理ではないのでこれは違うだろう。もともとは餃子の中身のことでした、なんて理由はごめんだ。
生まれてから今日に至るまで何度ハンバーグを食べただろうか。何度ハンバーグという単語を使っただろうか、数百回は使っているに違いはない。ちなみにここまで28回ハンバーグと唱えているはずだ。今のが29回目。
だが、さすがにもう限界だ。ちゃんとした理由を説明してもらおうではないか。
私は時代に則りインターネットで「ハンバーグ□語源」と検索をした。実に便利な時代だ。
元々ヨーロッパではひき肉を焼いた料理は数多く存在したが、パン粉と混ぜて焼いたものはドイツ発祥ということだ。まさか、ハンバーグがドイツ料理だったなんてと驚かされた。
その後、ドイツ人がイギリスやアメリカに渡海すると、その肉料理は「ハンブルグ風ステーキ」と呼ばれるようになったとのこと。
そう、ハンバーグ(hamburg)とはハンブルグ(hanbugu)のことだったのだ。
そして「Hamburg steak」もしくは「hamburger」と呼ばれる。挟んでいなくても。
バーグさんも関係ないし、半分も合っていないじゃないか。ハンバーグとハンブルグは発音が似ているが、さすがに辿り着けなかった。余談だがハンブルグは(ハン=湾、ブルグ=城)が由来だそうだ。
ここまで見当外れとなると恥ずかしさや、いろんなものが混ざって涙が出てきてしまう。
ちょうど、玉ねぎを刻んでいたから尚更だ。
知的好奇心によって私はハンバーグに近付けた気がした。この短い間でハンバーグがオムライスくらい好きになった。
そういえば、オムライスのライスは米飯のことだと思うが、オムとはなんだ。ケチャップと卵の二色でモノクロオムに通じるものでもあるのだろうか。
まさに私は今、ハンバーグが食べたいと思いスーパーマーケットの精肉コーナーでひき肉をカゴに入れた。
家ではもちろん、外食でも給食でも子どものころから慣れ親しみ食してきたハンバーグ。
ひき肉と卵、パン粉をボールに入れて下味をつけて
そもそもハンバーグとはなんだ。
いや、解る。解っている。肉を捏ねて丸めて焼いたものがハンバーグだ。その形は小判型か俵型と決まっている。球状のものはミートボールなのだから。
じゃあ、なぜハンバーグはハンバーグなんだ。私はハンバーグを食べたいだけだったのに、突然沸いた疑問符に脳ミソを捏ね始めた。
和食ではないのは確かだ。これは間違いなく西洋料理。欧米から伝わりし食べ物だ。
そうなるとこのハンバーグという名は実は和製英語なのかもしれない。
例えばフライドポテトはアメリカじゃフレンチフライになる。同じようにハンバーグは日本ならではの言われ方なのかもしれない。
と、なるとハンバーグはハンバーグなのかハン‐バーグなのか。
ハンバーグは肉料理だ。ビーフ100%のハンバーグも存在するが、牛豚合挽肉を使うのがイメージとして浮かぶ。どこかで日本人好みのハンバーグは豚肉が入っていることと読んだ気がする。
すなわちハンバーグのハンは牛豚肉を半分ずつ使う半から来ているのではないか。
半バーグだ。豆腐ハンバーグは半分豆腐が使われているから豆腐半バーグなのだ。合点がいく。
いや、ならばバーグとはなんだ。90年代初期に活躍した女性ヴォーカルバンドにもバーグが入っているが、その由来は確か人名だったはずだ。料理名で稀にある最初に作った料理人の名前がバーグさんなのかもしれない。
バーグ、人名と同じ綴りなら[berg]でアイスバーグ、氷山を意味する。もし[burg]な町や市といった意味だ。
もしかしたら、氷山を割ってしまったり、街を
いや、待てよ。ハンバーグのハンを半だと思ってここまで考えたが、そもそもハンの意味を取り違えている可能性が出てきた。
ハン……[ham]これはハムだ。豚のもも肉だ。ハムバーグが
[hum]ならhummingというように鼻歌という意味だ。これが当てはまるとすれば由来はバーグさんが鼻歌を歌いながら作ったか、街中で鼻歌を歌ってしまうほど旨いものがハンバーグということになる。これも納得できそうな気もする。
たしか、漢王朝を示すものもハンという発音だったはずだが、ハンバーグは洋食であって中華料理ではないのでこれは違うだろう。もともとは餃子の中身のことでした、なんて理由はごめんだ。
生まれてから今日に至るまで何度ハンバーグを食べただろうか。何度ハンバーグという単語を使っただろうか、数百回は使っているに違いはない。ちなみにここまで28回ハンバーグと唱えているはずだ。今のが29回目。
だが、さすがにもう限界だ。ちゃんとした理由を説明してもらおうではないか。
私は時代に則りインターネットで「ハンバーグ□語源」と検索をした。実に便利な時代だ。
元々ヨーロッパではひき肉を焼いた料理は数多く存在したが、パン粉と混ぜて焼いたものはドイツ発祥ということだ。まさか、ハンバーグがドイツ料理だったなんてと驚かされた。
その後、ドイツ人がイギリスやアメリカに渡海すると、その肉料理は「ハンブルグ風ステーキ」と呼ばれるようになったとのこと。
そう、ハンバーグ(hamburg)とはハンブルグ(hanbugu)のことだったのだ。
そして「Hamburg steak」もしくは「hamburger」と呼ばれる。挟んでいなくても。
バーグさんも関係ないし、半分も合っていないじゃないか。ハンバーグとハンブルグは発音が似ているが、さすがに辿り着けなかった。余談だがハンブルグは(ハン=湾、ブルグ=城)が由来だそうだ。
ここまで見当外れとなると恥ずかしさや、いろんなものが混ざって涙が出てきてしまう。
ちょうど、玉ねぎを刻んでいたから尚更だ。
知的好奇心によって私はハンバーグに近付けた気がした。この短い間でハンバーグがオムライスくらい好きになった。
そういえば、オムライスのライスは米飯のことだと思うが、オムとはなんだ。ケチャップと卵の二色でモノクロオムに通じるものでもあるのだろうか。